明日10月6日、JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催の「第42回日本女子フィジーク選手権大会」が大阪・国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)にて開催される。女子フィジークの2024年日本一が決まる大一番である。
昨年に新女王の座についた荻島順子は今年、7月のIFBBアジア選手権と9月の日本クラス別選手権に出場。絞り、筋量、美しいポージングなど非の打ちどころはなく、客席から見る限り、緩みはいっさい垣間見えなかった。それでも本人は大会後にSNSで「全てが未完成」「満足のいかないステージでした」と綴っており、最高のステージに向けた上昇志向は青天井。女王としての地位をより盤石にすべく歩みを進めている。
昨年2位、“絶対女王”と呼ばれた澤田めぐみも、いよいよその地位が安泰ではないという雰囲気になってきたと感じる。それは彼女自身の完成度うんぬんというよりも、周囲のレベルが澤田に近づいてきたように見えるからであり、女子フィジーク界にとってはポジティブなこと。中でも昨年5位の阪森香理は、9月の日本マスターズ選手権において3位の清水恵理子を制してオーバーオール優勝を達成している。ボディフィットネスから転向して4シーズン目、女子フィジーク選手としての筋量や完成度は間違いなく日本トップに近づきつつあり、昨年4位の大澤直子をかわしてのトップ3入りを目指す。
成長度合いで言えば、昨年7位の原田理香が一番ではないか。もともと筋量や絞りに関しては申し分なかったものの、ポージングにやや癖が残り、ポテンシャルを発揮しきれていない印象があった。今年はその点の改善に着手したようで、日本クラス別選手権では文句なしの優勝。身長168cm、出場選手の中で最高身長であり、小柄な荻島らとの比較で高身長を迫力として生かせれば表彰台も夢ではない。
また昨年6位の藤原彩香も、女子フィジーク界の未来を担う存在として一つでも上に食い込んでほしい存在。筋量に関しては十分すぎるほどのものを搭載しているぶん、あとはどれだけ仕上がりの高められるか。若さ故に他の選手のようなドライな肌の質感を出すのは難しいだろうが、それを凌駕するほどの異質さを見せたい。
ジャパンオープン選手権で急進化を見せて優勝をかっさらった新沼隆代も上位に食い込む可能性は当然あるだろう。絞りや筋肉のカットは上位勢ともそん色ない。一方で身長が荻島らと同等であるが故に、抜け出すためには何かしらの“決定打”がほしいところだ。
荻島のストイックさを考えれば、日本の女子フィジークの理想形とも言える彼女自身が落ちてこない限り、その優位性は簡単には揺るがないだろう。ただ、荻島も50歳を超えてから驚異的な成長を遂げてトップに駆け上がったように、誰もが進化の可能性は無限大。日本でももっとも美しく熱い、女子の筋肉バトルをお見逃しなく。
■2023年大会結果
【第42回日本女子フィジーク選手権大会】
文・写真/木村雄大