健康美を競う「BEST BODY JAPAN」(ベストボディジャパン/BBJ)の日本大会で4連覇(2019年~2022年)の実績を残している萩原慎也さん。妻と2人の子どもを持つ父親である萩原さんは、健康関連事業を手掛ける企業の課長として働きつつ、コンテストでも圧巻の成績を残している。それぞれを両立するコツについて聞いてみた。
筋トレを最優先にしないことで、見えてくる時間がある
――多忙な日々を送られていると思いますが、家庭・仕事・トレーニングを両立するコツはあるのでしょうか。
「まず大きいのは気持ちの部分だと思っていて、トレーニングや大会に打ち込むのはいいんですけど、家族のことをおざなりにしたら絶対に応援してくれないですし、関係も悪くなってしまうと思うんです。ですから、筋トレを最優先にはしないようにしています。家族のことと仕事の中にボディメイクをどれだけ組み込めるか追求して、最大値を出せるように心がけています」
――日常の中に、どのようにトレーニングを入れているのですか。
「たとえば朝早く起きて、朝ごはんをつくってからジムに行く。有酸素運動は子どもを抱っこしながらエアロバイクを漕ぐようにするとか、家のことを最優先にしながらできる範囲でフィットネスを生活に取り入れています。ジムに行く前のアップとして洗濯物を干そう、掃除しちゃおう、おむつ替えしちゃおうとか。それこそ子どもを抱っこするのもトレーニングになるなとか、そういうふうに考えています」
――ジムでのトレーニングも時短を心がけていますか?
「はい。ダンベルプレスをやり終わった後、寝ている状態からそのままレッグレイズをやったりします。メニューの切り替えでなるべく無駄な動きがないように意識していますね。あとはジムに限らず『ながらフィットネス』をつねに心がけています。たとえば、パソコン仕事をしながらエアロバイクを漕いだり、講演会で運動指導するから自分も運動しちゃおうとか。仕事をしながらでも組み込むようにしています」
――何かとセットで運動を取り入れているのですね。
「はい。それが結構ポイントだと思いますね。体のケアについても同じで、オフィス作業中や移動中に会社で扱っている電位治療器を手首に巻いたりしています。移動だけ、筋トレだけ、寝るだけとかではなくて、何かしらセットにして複数のことを同時にやるようにしています。限られた24時間は変わらないですけど、その中でいかに時間を有効に使えるか。そのために『ながら』を取り入れるのは有効だと思います」
――そういった中だと、高負荷なトレーニングをするのは難しいのではないですか。
「そうですね。たしかに高重量を扱ってセット数をこなして、どんどん筋肥大させたい気持ちもあるんですけど、家族と仕事に時間を使いたいので限界があります。『フィジークは興味ある?』ってよく聞かれるんですけど、挑戦できない理由の1つとして時間の問題があるのも事実です。ただ、僕が出場しているモデルジャパン部門は細身でスタイリッシュな体が評価されるカテゴリーなので、年間を通して絞る(減量する)作業のほうが比重は大きく、今のトレーニング方式でも問題ありません。コンテストを目指すのであれば、自分の体格だけでなく、生活状況に合ったカテゴリーを選ぶことも大切かもしれませんね」