体を鍛えることは人生の一部。そんな男の強さを世界の舞台で垣間見た。
世界の猛者が集うIFBB男子ワールドカップ(2024年12月16日~19日)でメンズフィジークマスターズ40~49歳級を制覇。階級の垣根を越えたオーバーオール優勝も獲得した八木佑樹。この栄冠は世界マスターズ選手権で5度の優勝を誇る田村宣丈を下してのものだった。
かねてから続けていたトレーナー業、イタリアン店の経営に加え、一昨年からラーメン屋の事業もスタート。3足のわらじを履く中で筋トレに打ち込み、大舞台での栄冠を引き寄せた。
1日12時間以上の勤務をこなしつつ、週6~8回のペースで夜の23時から夜中までトレーニングをすることも日常茶飯事。1日2回トレーニングを行なう「ダブルスプリット」を行なうこともしばしばだ。多忙を極めつつも活き活きとした表情で八木は語った。
「トレーニングすることによって、人生を豊かにするっていうのが僕はフィットネスのテーマだと思っています。健康のためはもちろんですし、僕らみたいな選手になると減量などハードなこともありますけど、競技での喜びもあります」
フィットネスを愛しているからこそ、時間を縫ってトレーニングに励むことも苦にならない。そんな彼には競技者としてステージに挑むうえで、大切にしているモットーがあると言う。
「これから歳を重ねて考えることも変わってくると思うんですけど、感謝の心とプライドを持ってベストの状態でステージに上がること。もうそれのみですね。国内大会でも国際大会でも、それは変わらず大切にしたいと思っています」
コンテストには“マスターズ”というミドル年代以上のカテゴリーが存在するように、幅広い年代の選手に輝ける場所がある。充実の日々を送りつつ、感謝とプライドを胸に八木はこれからもステージに立つ。