北海道で酪農家として働く傍ら、ボディビル競技に打ち込む小澤亮平。もはや筋トレが生活の一部になっている彼は、仕事と並行して世界で戦える肉体をつくりあげている。
「仕事は結構朝が早いので、だいたい5時前には起きて食事を摂って、その後仕事して8時か9時ぐらいには終わって、時間があれば昼間にトレーニングすることが多いですね。繁忙期は昼間にも仕事があるので、トレーニングは夜にやるようにしています。仕事の合間に筋トレして、夕方から搾乳するときもありますし。こういう日常がルーティーンになっているので、ストレスは感じないですね」
2024年には日本クラシックボディビル選手権のオーバーオール審査を3連覇。12月のIFBB男子ワールドカップでは、クラシックボディビルゲームズ175cm以下級を制し、オーバーオール優勝も獲得。クラシックボディビル一般175cm以下級で2位、ボディビル75kg以下級でも3位と実績を積み上げた。
「2023年は悔しい結果で世界選手権を終えてしまって、自分の中で何が足りてないのか、何が長所なのかを模索した1年でした。サイズが足りないのはもちろんそうなんですけど、脚の外側広筋が足りていないので、上半身はまだよくても、下半身が全然話にならないような状態だったので、まずはそこを改善しないといけないと思いました。下半身トレはスクワットから何から、一度重量を下げてフォームを見直してのスタートでした。最初はこんなペースで大会に間に合うのかと思っていたんですけど、だんだん重量を挙げられるようになって、体が変わっていくのを一番感じたシーズンだったので、2024年はいい1年を過ごせたと思います」
身長制限だけでなく体重制限が課されているクラシックボディビルにおいては肉体のバランスも重視され、美しくたくましい体をつくることが至上命題だ。止まって一歩下がることを恐れず、己をしっかり見直した期間が功を奏し、小澤を次なるステージへと引き上げたと言えるだろう。そんな努力を可能にするのは、やはり競技やトレーニングを愛しているからに他ならない。
「日々、自分の些細な変化を楽しめるのが魅力だと思います。自分で考えてトレーニングして、ハマったときが一番楽しいですね。逆に他の人から意見をもらって、すごく体がよくなるときもあるので、それも楽しいです」
次のステージに向けての課題は「まだまだサイズが足りないと思うので、絞りは厳しくなるかもしれないですが、どこの部位というより全体的なサイズアップを狙っていきます」と意気込んだ小澤。今シーズンは国内4連覇、その先の世界選手権優勝を目指して突き進む、彼のステージに注目していきたい。