空手世界一を狙う福岡の怪物 太ももまわり71.6cm「岩のような体」をつくるフィジカルトレに密着




5月31日-6月1日、フルコンタクト空手の体重別世界一を決める『第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会(WFKO世界大会)』が東京・有明アリーナで開催されます。

流派・団体の垣根を越えた今大会には、世界各地域から選抜戦を勝ち抜いた猛者が集結します。そんな中で男子重量級に挑む多田成慶選手は、世界最大規模の空手団体・新極真会が主催する無差別級日本一決定戦『第56回全日本空手道選手権大会』で優勝。新極真会のエースとして大会に臨みます。

【フォト】多田選手の強靭な肉体をつくるフィジカルトレ

多田選手は他を圧倒する攻撃力に加え、対戦相手から「岩のような体だった」と評されるフィジカルを武器に勝利の山を築いてきました。新極真会・福岡支部の内弟子として日々を送る多田選手は、指導の他に週4回の午前稽古やジムでの筋トレ、高地空間トレーニングなどを実施。空手に没頭する日々を送っています。

今回はそんな“福岡の怪物”のフィジカルトレーニングの一部を紹介します(内容・数値は空手LIFE 2025年3-4月号での取材当時のもの)。

道場でのトレーニングでは、シットアップ、クランチで腹筋に刺激を入れたのち、バックエクステンション、両足アップ、拳立て伏せ、チンニング、ショルダープレス、サイドレイズ、ダンベルカール、デッドリフトなど全身をくまなく鍛えていきます。

デッドリフトはシャフトとウエイトを合わせて40kgからスタートし、100㎏まではウォーミングアップ。取材時は120kgを13回×3セット行ないました(日本一となった第56回全日本大会の前は170㎏×5回を1セット実施)。ウォーミングアップの回数や重量は、時期や体の状態によって流動的とのこと。筋トレの後にはサンドバッグで突きの打ち込み、蹴り込みを行ない稽古を締めくくりました。

多田選手の試合を振り返ると、突きの威力はもちろん、蹴りの力強さが増していることが見て取れます。その背景として多田選手は、ジャンピングスクワットに加えてバーベルスクワットを取り入れるようになったと語ります。

ジムで行なっているバーベルスクワットではアップから徐々に重量を上げていき、MAX170㎏にも挑戦。器具を使った脚トレはレッグエクステンション、スタンディングカーフ、プロ―ンレッグカールと4種類を取り入れているそうで、太ももまわりは71.6cm(取材時に計測した数値)と強靭な下半身を手に入れました。今後は華麗な組手の体現に向けて、瞬発系の種目も増やしていきたいと意気込みます。

気圧は変えず、酸素濃度だけをコントロールした常圧低酸素室を設ける『AirZ福岡薬院スタジオ』で高地空間トレーニングに励むなど、スタミナアップにも取り組んでいる多田選手。こうした日々の努力を結集させ、世界大会でのタイトル獲りに挑みます。

5月31日-6月1日、多田選手がその名を世界に轟かせるかもしれません。ぜひ、有明アリーナで歴史の証人となりましょう。

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