YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2024年日本ジュニアオーバーオール優勝の渡部史也選手です。
【フォト&ムービー】これが本当にジュニア?また現れたボディビル界の若き超新星
脅威的な成長スピードを見せる「鈴木雅2世」
渡部選手は、2021年マッスルゲート四国大会のメンズフィジークでコンテストデビューを果たします。初出場で優勝という華々しいデビューを飾った彼は、若干20歳とは到底思えない肩腕のセパレーションや各部位の丸みを備えていました。その後も数々の大会で成績を残した渡部選手は、昨年満を持してボディビルに転向。127名という過去最高の出場人数となった超激戦の日本ジュニアにおいて、競技転向後1戦目でオーバーオール優勝というとんでもない快挙を成し遂げました。
平均値をしっかりと上回る絞りと張り付いたような皮膚感。バランスの取れた体に、充実した筋肉の丸みやセパレーションは、日本選手権ファイナリストにも劣らない迫力と風格を醸し出していました。中でもバックポーズは一級品で、2階席から見ても背中が立体的に飛び出して見えるほどのクオリティをしています。
鮮烈なボディビルデビューを果たした渡部選手の快進撃は、日本ジュニアに留まりませんでした。強豪揃いの西日本選手権では、「アウトラインの怪物」森本宏太選手を抑えて堂々の優勝。勢いそのまま日本選手権にも出場し、過去類を見ないほどの大混戦の中、13位という好成績を残し、ファイナリスト寸前の所まで迫りました。
渡部選手は昨年以降、その弱点のなさから「鈴木雅2世」「超新星」等の異名で知られるようになりましたが、彼の本当の凄さはその成長速度にあります。デビュー戦となった日本ジュニアでもすでに完成度の高い仕上がりとポージングを披露していましたが、連戦する度に絞りはハードになり、ポージングは隙のない形へと進化を遂げていました。一般的に、シーズンが長引くほど調子を崩してしまう選手が多いですが、彼はコンディションが落ちるどころか後半戦となる日本選手権やジュラシックカップで最高値を叩き出したのです。若手でここまでの盤石さを持っている選手は数少なく、今後日本ボディビル界にどのような旋風を巻き起こしてくれるのか期待が高まります。
今回は、渡部史也選手についてお話しさせていただきました。今シーズンは、日本クラス別70kg以下級と日本選手権に出場することを宣言している渡部選手。とんでもない体と成績を残してくれることはもはや明白でしょう。彼の活躍が非常に楽しみです。
次回は、「脚男」と呼ばれた日本最強クラスの大腿四頭筋を持つ重量級ビルダーについてお話しします。お楽しみに!
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