BIG3トータル驚愕の760kg! 国際大会で猛威を振るうジュニア最強のクラシックフィジーカー~川中健介【筋肉マニアのビルダー解体筋書】




YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、世界ジュニアチャンピオンの川中健介選手です。

【フォト&ムービー】非の打ち所がない川中選手のボディ

完全無欠の体は超高重量トレーニングから

川中選手は、14歳からトレーニングを始め、その3年後にはボディビルで高校生日本一になりました。毎年、インプルーブする体に当時から話題が尽きない選手でしたが、この優勝はその後に彼が残す数々の功績の序章に過ぎませんでした。

高校生日本一となった2年後、さらに進化した体を披露した川中選手は、フィジークで大学生日本一を獲得。翌年には、オールジャパンジュニアでオーバーオール優勝。2023年からはクラシックフィジークに転向し、日本クラシックフィジーク選手権の175cm以下級を2連覇。オーバーオール戦では“クラシックの象徴”五味原領選手に3票差と、優勝まであと一歩の所まで迫りました。

彼の快進撃は国内に留まりません。2023年のIFBB世界選手権における21~23歳のクラシックフィジーク及びクラシックボディビルで二冠という快挙を達成。その他の国際大会でもあらゆるカテゴリーで表彰台を総ナメにしました。現役のジュニア選手でこれほどまでにタイトルを獲得しているのは、恐らく川中選手ただ1人でしょう。

いかなるカテゴリーにおいても常に高い評価を得ている川中選手ですが、その理由はトータルパッケージの強さにあります。目立った弱点がなく、仕上がりも安定している。その上、ポージングや厚み、ディフィニションといったステージ映えに欠かせない要素もしっかり高水準を満たしており、相澤隼人選手や五味原領選手といった隙のないチャンピオンたちにも近い印象を受けます。

完全無欠の肉体は、どのようにして作られたのか?それは、BIG3を中心とした超高重量トレーニングです。川中選手は、ボディビルの成績だけでなく、パワーも折り紙付きの怪物で、ベンチプレス180kg・スクワット280kg・デッドリフト300kgとパワーリフター顔負けの筋力を搭載しています。また、非常に重量のバランスが良く、筋力≒筋肉量であることを川中選手は証明してくれています。

非の打ち所がない川中選手ですが、彼が絶対王者を下し、クラシックの歴史を塗り替えるには、アウトラインのメリハリが重要になってくるのではないかと思います。現王者の五味原選手は、ポージングやステージングもさることながら、ポーズを取った時のシルエットが絵画のように美しく、他を圧倒する審美性があります。川中選手が今のバランスによりクラシックな要素を追加できれば誰も太刀打ちができないでしょう。若きモンスターの今後に要注目ですね。

次回は、次世代のファイナリスト候補「東大出身の超高学歴ビルダー」についてお話しします。お楽しみに!

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