日々磨いてきた表現力を携え、氷上で“魅せる”競技であるフィギュアスケート。フィギュアスケーターたちはより良いパフォーマンスを発揮するべく、体幹や足腰の強化といったトレーニングに取り組んでいる。
そんなスケーターたちの活躍の場は、競技会だけにとどまらない。その一つであるアイスショーでは、通常出演者たちがそれぞれの演目を披露するが、バンクーバー五輪銅メダリストのフィギュアスケーター・高橋大輔が主演を務める「氷艶」シリーズは、フィギュアスケートと演劇・エンターテインメントショーを融合させた異色のアイスショーだ。その最新作である第4弾「氷艶 hyoen 2025 -鏡紋の夜叉-」が、7月5日(土)~7月7日(月)に神奈川・横浜アリーナで開催された。
スポーツと演劇が融合した新感覚のアイスショー「氷艶」
今作は、昔話「桃太郎」のベースとなった「温羅(うら)伝説」を題材に、それぞれの大義を懸けてぶつかり合う2人の青年の運命が描かれる。高橋と共に主演を務めたのは、NEWSの増田貴久。また、映画監督の堤幸彦が初めてアイスショーの演出を担当したほか、LUNA SEA/ X JAPANのギタリスト・SUGIZOが音楽を手がけた。

物語の舞台は、製鉄で栄華を極めている吉備の里。この地の若き王である温羅(高橋)は里の民と共に平和に穏やかに暮らしていたが、朝廷が吉備の鉄を奪うため、殺戮兵器として育て上げた吉備津彦(増田)を吉備の里に送り込む。なぜ人は戦うのか、戦った先にある未来とは。抗えない運命に導かれるように、2人は戦いに身を投じていく。
演技でも才能を開花させた高橋、増田はスケートに初挑戦
’17年のシリーズ初演以来、演技や歌などさまざまなジャンルに挑戦してきた高橋は、祖先の残した剣を手に戦い続ける中で、次第に人間らしい心をなくしていく温羅を繊細な演技で表現。殺陣のシーンでは、迫力のスケーティングで観客を圧倒した。

高橋は「温羅伝説」が伝わる岡山出身。「自分のルーツと重ね合わせながら表現できることに、大きな喜びと責任を感じています」と感慨深げに話し、「共演の増田さんをはじめ、すばらしいスケーターや俳優のみなさんとともに、この壮大な物語を創り上げられることが何よりうれしいです」と喜びを語った。
今回がスケート初挑戦という増田は「素敵なメンバーに囲まれてあたたかく、ピリッとした氷上でたくさんお稽古しました」とコメント。その言葉通り、スケート靴を履いての戦闘シーンでは、初心者とは思えない身のこなしを披露した。また、定評のある歌声でも観客を魅了。トップエンターテイナーとしての存在感を見せつけた。

ショーを盛り上げるドラマティックなロックミュージックを手掛けたSUGIZOは、パフォーマーとしても登場。ギターやバイオリンなどさまざまな楽器で、熱い演奏を披露した。

そのほか福士誠治、財木琢磨、青山凌大、森田望智、吉田栄作、市村正親ら豪華俳優陣と、荒川静香、村元哉中、田中刑事、島田高志郎らトップスケーターが出演。
さまざまな才能がぶつかり合って完成した氷上のエンターテインメント「氷艶 hyoen 2025 -鏡紋の夜叉-」は、メイキングも含めた完全版として9月28日に日テレプラスで放送される。演者たちの熱い演技とスケートならではのスピード感あふれるステージを、ぜひ映像でも味わってほしい。
9月28日(日)19:00~(CS・日テレプラス)