細い関節と細やかなカットが生み出す愚直なクラシカルボディ! 東大出身の超高学歴ビルダー~野上駿【筋肉マニアのビルダー解体筋書】




YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2024年ジャパンオープン2位の野上駿選手です。

【フォト&ムービー】筋肉美が光る野上選手のステージング

次世代の日本選手権ファイナリスト候補

野上選手は現在33歳で、日本でも3本の指に入る超ハイレベルのボディビル大会「ジャパンオープン」で2位を獲得したトップビルダーの1人です。細い関節と滑らかなポージングが合わさることで、黄金期のボディビルダーを想起させる愚直な肉体美が生み出されており、他の選手とは違った雰囲気があります。

野上選手は、身長178cm仕上がり体重77kgと、他のトップ選手と比べて単純な筋肉量は多くありませんが、彼のハードな仕上がりと無数に浮かび上がる繊細な筋肉のカットやセパレーションは高い評価を得ており、バルク派の選手を何度も下しています。特に、大腿部は幹のように太い上に、直筋や内転筋まで綺麗にセパレートしており、サイズと仕上がりの両方を兼ね備えた強力な武器となっています。

また、野上選手の持つ最大のアピールポイントが臀部です。絞り切った質感もさることながら、裏ももの中間辺りまで伸びているのではないかと思うほど縦に長い大臀筋のインパクトは圧巻です。サイズだけで言えば、日本一と言っても過言ではないと思います。上腕や三角筋もバランス良く発達しており、アウトラインを構成する部位は非常に弱点が少ないです。一方、大胸筋の厚みや背中の凹凸感には課題が残っており、彼の美しいプロポーションに迫力を加えるには、体幹部の強化が鍵になりそうです。

毎年着実に成績を伸ばし続け、今や未来の日本選手権ファイナリスト(TOP12)候補とさえされている野上選手ですが、実は東京大学出身の超高学歴ビルダーでもあるんです。東大卒ビルダーと言えば2度の日本王者に輝いた石井直方選手が有名ですが、彼は歴代屈指の美しいバランスと類稀なポージングセンスで現代にも語り継がれている伝説のボディビルダーです。美的センスが光るポージングという点においては、野上選手にも近い部分があり、今後史上2人目となる東大卒の日本王者が誕生するかもしれません。

今回は、野上駿選手についてお話しさせていただきました。日本最高峰まであと一歩のところまで迫った野上選手の活躍が待ち遠しいですね。

次回は、東京ボディビル選手権で6年ぶりの復活を果たす伝説のバルクモンスターについてお話しします。お楽しみに!

▶次ページ:野上選手のステージフォト&ムービー

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