手軽で安価、美味しいお弁当。そんな代表格である牛丼とのり弁では、栄養価が高いのはどっち? 管理栄養士の山田賢児さんが本気で回答してくれました。

【動画】バランスの良い食事とは?“筋育栄養士”による講義ムービー
トータル的に見てのり弁が一歩リード
例として大手チェーンの牛丼とのり弁を比較すると、カロリーは牛丼が687kcal、のり弁は605kcal。のり弁のほうが低めです。タンパク質は牛丼が17.1g、のり弁は18.2gとほぼ同じくらいの量が入っています。
炭水化物の摂取量としては、ご飯の量がほぼ同じなので、同等と見ます。これらをふまえると、カロリーや脂質を気にしている人や、ボディメイクを目的とする人にとっては、のり弁のほうが少し優勢と言えるでしょう。
しかものり弁には、白身魚のフライやちくわの磯辺揚げ、きんぴらなどが乗っており、副菜のバリエーションが豊かです。食材の種類が増えると、それだけ栄養素も摂りやすくなるので、そういう意味でもおすすめしたいです。
ちなみに、のり弁以外で安価な外食やお弁当のおすすめを挙げるなら「牛丼チェーン店の朝食」が素晴らしいと思います。たとえば400円の朝定食で、納豆か牛皿、サラダ、お新香、海苔、味噌汁が付いているチェーンもあります。個人的には牛皿よりも納豆を選んだほうがいいと思いますね。さらに、卵をトッピングすれば文句なしでしょう。
これでタンパク質も発酵食品も摂れて、ビタミン類も補えるとあって、かなり優秀です。テイクアウトもできるため、高コスパ・高栄養な食事ができる好例だと思います。
栄養バランスの良い食生活には準備が大事
牛丼やのり弁は安くて美味しく、手軽な食事です。ですが、そういった食事だけで栄養バランスの良い食生活をつくるのは無理があります。手軽なメニューに頼りがちになるのは、食材を切らしていたり、毎日に余裕がなく手軽な外食に流れてしまったりする背景があると思います。
こういった時は、たとえば冷凍野菜、シリアル、豆乳、パックの味噌汁など、すぐに食べられて栄養価の高い食料をストックしておくことが大切だと思います。「今日は料理する余裕がないな」という時でも、栄養のある食事を摂れるようにしておくことが、結果的に体を守ることになります。
私がよく活用しているのはシリアルと豆乳の組み合わせで、忙しい時でも短時間で食事を完結させられるので重宝しています。1食あたりの食費も抑えられるので、お財布にも優しいです。グラノーラ系のものだと、ビタミンやミネラル、食物繊維なども入っているものが多いです。
私自身、ここ2か月ほど食費を抑えてボディメイクを続けるというテーマで、生活の中でいろいろなことを実践してみました。食費は4万円以内に収まっていて、それでも筋肉も落ちず、体力もキープできています。
お金や時間がなくても「食べ物の選び方」と「準備」次第で栄養価の高い食生活をつくることは可能です。無理せず続けられるやり方で、健康的な体をつくっていきましょう。
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