72人という過去最大規模のエントリー数を記録した男子ボディビルの競技が行なわれた、第36回ジャパンオープン選手権(8月8日、大阪府門真市)。まさに筋肉がステージを埋め尽くし、熱く、暑苦しく、激しくボディバトルが開催された同日同会場で、出場者1人の日本一決定戦が展開された。
【フォト&ムービー】はつらつとしたパフォーマンスを披露する高田
その競技は「メンズフィットネス」。JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催大会のカテゴリーの一つで(大会は「オールジャパン・メンズフィットネス・チャンピオンシップス2025)、90秒間のフリーパフォーマンス(独自の衣装も着用)と、メンズフィジークなどと同様に身体の完成度を比較するフィットネスラウンドの2ラウンドで争う競技だ。いわゆるボディビルやフィジークと違い、“動ける身体”であることがポイントとなる。
「競技人口は少なく、身体を鍛えるのと、動きを見せて表現する、パフォーマンスの部分で競い合うというのはなかなか難しさもありますが、自分はそれが好きなので毎年参加しています」と話すのが、今年で4連覇達成となった高田巌、53歳だ。
エアロビクス、アクアビクス、ステップ、ヨガなど、フィットネスインストラクターとして幅広く活躍する高田。上述の通り、2023年は出場2人だったが、他はステージに立ったのは彼のみ。「勝負」という面では物足りなさはあるだろうが、それでも堂々と、笑顔で毎年ステージに立つその姿からは、本来のフィットネスの楽しさを感じとることができる。
「毎年テーマがあるというわけではないですが、出場者が一人なので比較する相手がおらず、比べるなら去年の自分しかいません。だからこそ、『去年と変わってないね』とは思われないように、曲や衣装も毎年変えて、体操教室やダンスレッスンなどに通って表現を身に付けて毎年臨んでいます」
その身体が動く限り、出場を止めることはない。また来年もこのステージで、彼がどんなパフォーマンスを見せてくるのか期待は高まる。
「もちろん、増えたらいいなとは思いますけどね。昨年の世界選手権では男子も女子も、若い人ばかりでしたが、体操をやっているような選手たちがたくさん出場していました。いつかは日本でも若い選手が出場して、自分はマスターズに…となったら楽しいかなと思います。年齢は重ねていますが、この大会のお蔭で自分があります。年に1回の目標ですので、また来年もチャレンジします」