筋肉ムキムキボディーを手に入れるために、プロレスラーとしてデビューしたばかりの遠藤有栖が門を叩いたのは現役プロレスラーの近藤修司がトレーナーを務める『イチゴジム』。近藤修司は「WRESTLE-1」のリングに上がっていたので、まったく面識がないというわけでもなかったが「お話をしたことはまったくなかったです」。才木さんみたいな筋肉をつけたい、とアピールすると、さすがに近藤修司も困惑して「いやぁ、あの肉体は特別というか、なかなか難しいよ」と苦笑いしていたそうだが、とにもかくにも週に一度のパーソナルトレーニングが始まった。

「トレーニングをはじめてすぐに体が大きくなってきたのがわかりました。僧帽筋が思っていた以上について、自分で鏡を見ても『おおーっ!』って(笑)。試合をやっていても、技をかけるときに自分でもびっくりするぐらい簡単に相手が持ち上がったりして、あぁ、こんなにパワーがついたんだって。そうやって成果がリングに反映されるから、トレーニングは楽しくて仕方なかったですね」
パーソナルトレーニングでは、ただ筋肉をつけるだけでなく、プロレスに活きる動きもたくさん学ぶことができた。
「たとえばジャンプ力をアップするためのトレーニングですね。私の得意技に『磐梯山』(セカンドロープからトップロープへとひょいと飛び乗って放つステップ式ミサイルキック)があるんですけど、あの技はまさにここで学んだジャンプ力と、体重のかけ方やバランスのとり方がなかったらできない技ですね」

週末にはほぼ毎週、試合があり、日々の道場での練習もあるのでパーソナルトレーニングは週に一度。それでも地方での試合があったりすると、どうしてもスケジュールが合わなくて通えないときがある。普通であれば「今週は仕方がないな」と諦めるところだが、もっと筋肉をつけたい、もっとトレーニングしたい、とモチベーションがあがりまくっていた彼女は、スケジュールが合わなかった場合、自分でジムに通い、トレーニングに励んだ。これは今でも続いているという。
プロレスラーとして均整のとれたボディーバランスを誇る遠藤有栖だが、目標としていた筋肉ムキムキボディーを実現するには至っていない。プロレスに適した肉体にするためにトレーニングを調整しているのかと思いきや、さにあらず。じつは彼女自身が「ある問題」を抱えていたのだ――(9/17公開の#3に続く)。