YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2025年日本クラス別70kg以下級2位の内野充選手です。
人は彼を”ブレイド”と呼ぶ
内野選手の特徴は、全身バランスの取れた肉体と刻まれたかのような深い筋肉のカットです。目立った弱点が一切なく、各部位の隆起やディフィニションも強力です。特にバックポーズでは、僧帽筋上部・中部・下部まで見事にセパレートした背中や臀部までバリバリに絞れたハードコンディションが一際目を引いており、内野選手の大きな武器となっています。フロントポーズでは、大腿四頭筋の主張が激しいですが、それに見合った上半身のアウトラインやバランスも備えている為、バック同様弱点と思わしき要素は極めて少ないです。
内野選手は現在45歳で、ボディビル歴は16年とベテランの領域に入っていますが、これまで残してきた成績は数知れません。2009年にデビューした内野選手は、同年の埼玉選手権と東日本クラス別の60kg以下級で、1年目にして優勝という文句なしの成績を収めます。その後、2023年には日本マスターズ40歳以上級で優勝。昨年は、ジュラシックカップグランドクラスに出場し、日本トップクラスの選手が揃う中で11位入賞。さらには、先日行われた日本クラス別70kg以下級で初の2位を獲得しました。日本選手権ファイナリストの経験はないものの、積み上げてきた経験と洗練された肉体によって、あと一歩の所まで迫っていることは間違いないでしょう。
内野選手は、フリーポーズに必ずGuns N’ Rosesの「Welcome To The Jungle」という曲を使っており、曲に合わせたキレのあるポージングは彼の生き様を表しているようです。ステージ上ではあまり感情を露わにしない選手ですが、彼がサイドトライセップスを取る前に時折見せる「行くぞ」と主張するような決めポーズが数少ない内野選手の気迫を感じ取れる場面になっており、非常に印象深いです。皆さんも良ければ、確認してみて下さい。
今回は、内野充選手についてお話しさせていただきました。ファイナリストになるには唯一バルクが課題となっている内野選手ですが、昨年競技16年目にして初ファイナリスト入りを果たした江川裕二選手のようなベテランの逆襲を期待したいですね。
次回は、インフルエンサーの側面を持つ日本最重量級3連覇のボディビルダーについてお話しします。お楽しみに!
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