どんなものを食べても運動量が上だった レッスンとライブに明け暮れたSKE48時代【荒井優希#1】




2021年5月に本格的なプロレスデビューをはたし、今や東京女子プロレスには欠かせない存在となった“ジーニアス・ガール”こと荒井優希。SKE48の中心メンバーとして長らく活躍、今年3月いっぱいでアイドル活動を卒業しプロレスラーとしての道を選択した。そんな荒井に体つくりの秘密を聞くインタビュー全3回の第1回は、幼少期から習い始めたバレエとSKE48でのお話を。

SKE48時代の思い出を語った荒井優希(写真/橋場了吾)

【写真】アイドルからプロレスへ舵を切った荒井

バレエの「その場で覚える」レッスンはSKE48でも役に立った

荒井優希は小さい頃から体を動かすことには慣れていた。まず、幼少期にバレエを習い始めた。

「幼稚園からSKE48に入るまでなので、中学3年生までやっていました。きっかけは…友だちの真似をしただけです(笑)。コンクールには出た記憶はあるのですが、海外の大会に出場するまではなかったです。練習は週4回、バーレッスンからしっかりやっていました。クラシックバレエのほかにも、コンテンポラリーもやっていました。当時から体は柔らかかったかもしれないですね。とにかく、レッスンに行くのが楽しかったです。お姉さんもたくさんいたので、遊んでもらっていました」

そのバレエ教室の経験は、SKE48に入ってからのダンスの習得に役立ったという。

「バレエのレッスンでは、その瞬間に先生が言ったことを覚えていくんですよ。基礎的なジャンプの練習もありますけど、曲に合わせて先生がその場で振り付けた踊りをすぐに覚えるという感じで。その意味では、SKE48のダンスを覚えるときも役立ちましたね。SKE48ではダンスをいっぱい覚えなくてはいけなかったですし、その記憶する力のほかにも、シンプルにバレエでも人前で踊ることが多かったので、舞台慣れはしていたと思います」

どんなものを食べても運動量が上回ったSKE48時代

荒井の得意技の一つ・サソリ固め(©東京女子プロレス)

荒井は2013年11月からSKE48に在籍していたわけだが、基礎は独学だった。

「私たちの代は、基礎レッスンがなかったんです。先輩方の映像は残っているので、その映像を見ながら覚えていきました、自宅で。レッスン場はあるんですけど、先輩方もたくさんいたので、最初は遠慮してしまって。あと走り込みや筋トレみたいなトレーニングもなく、とにかく毎日のように練習で踊ってライブがあっての繰り返しで、自然に体力がついていった感じでした。社内でも『SKE48は筋肉質』と言われるくらい、毎日動いていましたね」

その環境の中で荒井はアイドルとして頭角を現わしていった。メンバー内での競争も多かったように想像していたが…。

「みんな争いたくないと思っているはずですよ(笑)。最近は選抜総選挙もなかったので、わかりやすく競う機会はわりと少なかったかもしれません。時代なのかなあ…でも、私は競争するのは大好きです。SKE48に入る前からバレエも勉強も競い合ってきたので、そういう環境下にいるのが当たり前でしたし、“数字”が出ることでがんばれる体になっちゃったので(笑)」

SKE48に10年強在籍していた荒井優希だが、毎日のように練習とライブの日々を送っていた。その中で自然に体力がついたというが、体つくりについてはどのように考えていたのか。

「レッスンとライブで体を動かしまくって自然に鍛えられていくんですけど、筋肉がものすごくつくというよりは、普通に痩せてスマートになる感じでしたね。確かに、しゃがむ動きのあるダンスが多いので足の筋肉はよくつくんですけど、上半身はスマートになるだけで。食事は…全然気を遣っていませんでしたね。単純に眠いという理由で、朝ごはんを抜く日もありましたし。ライブやレッスンのときはケータリングが用意されていたんですが、1日3食決まった時間に食べられるようなスケジュールではありませんでしたね。でも、どんなものを食べたとしても運動量が上回っていた感じです」
(#2に続く)

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