世界最大規模のフルコンタクト空手団体・新極真会が主催する、「第57回全日本空手道選手権大会」が10月18日-19日に東京体育館で開催される。
今大会では組手はもちろん、昨年からスタートした型部門の試合も行なわれる。さまざまな年代が集う中、15歳の新星・山中友結香選手(新極真会東京ベイ港支部)が猛者たちに挑む。

【フォト】全日本大会に挑む15歳・山中選手 得意の横蹴りも披露
山中選手は新極真会が主催する年代別全国大会・カラテドリームフェスティバルで組手、型ともに入賞歴を持つ実力派だ。過去には登録者数195万人(10月10日時点)のYouTubeチャンネル「kuro-obi world」にも出演し、得意の横蹴りなどを披露。“ハイキック中学生”と称され注目を集めたこともある。普段はライフル射撃部の部活動と稽古を両立し、日々心技体を磨いている。
彼女の大きな支えになっているのが、東京ベイ港支部の支部長である小井泰三師範と谷口亜翠佳師範代だ。今回の全日本大会は谷口師範代も型部門に出場することから、恩師と大舞台に立つことが実現した。

山中選手は「小井師範や(谷口)亜翠佳先生にはいつも支えていただいていて、精神的にきつい時も声をかけていただくと『がんばろう』と力が湧きます」と感謝を語り、「亜翠佳先生と同じトーナメントに出られることが本当にうれしいです。まわりはすごい選手ばかりですが、自分の型をやり切ります」と決戦への意気込みを表明。
谷口師範代も「4歳から見ていた子が、ついにここまで来たと思うと涙が出そうなほどうれしいです。彼女は努力家で、どんな状況からも立ち上がる強い心を持った選手です。不安もあると思いますが、試合場に立てば集中していい動きをするので期待しています。今回の一般部、その最高峰の全日本の舞台に立つ姿が楽しみです」と万感の思いを語りつつ、教え子にエールを送った。
女性空手家ユニット「KARATEガールズ」の一員としても注目を集めた山中選手。小井師範、谷口師範代の推薦でメンバーに応募すると、見事に選考を通過。世界中から選手が集うビッグベント「KARATE EXPO 2025」(3大会併催、5月31日-6月1日)のアンバサダーとして記者会見や大会の舞台に登壇し、日本の武道文化を世界に伝えた。「大会を支える立場を経験して、スタッフさんへの感謝がより大きくなりました」と本人が語るように、この経験は大きな財産となったことだろう。

若手からベテランまで、ハイレベルな型を携えた選手が集結する全日本大会の型部門。山中選手が谷口師範代と対戦するとしたら決勝戦となる。激闘の裏にある人間ドラマの模様にも注目だ。