愛媛の工場勤務⇒職業ボディビルダー・渡部史也 日本5位で伝説の幕開け




10月12日、東京・江戸川区総合文化センターにて開催されたJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催のボディビル競技の日本一決定戦「第71回日本男子ボディビル選手権」にて、大会出場最年少・24歳の渡部史也(わたなべ・ふみや)が二度目の大会挑戦で5位入賞を果たした。

【フォト】腕も肩も尻もまんまる球体の渡部のバルキーボディ

フィジーク選手として競技をはじめた渡部は昨年、ボディビル初挑戦にして日本ジュニア選手権(23歳以下の日本大会)でいきなりオーバーオール優勝を達成。秋の日本選手権ではファイナリスト(上位12位)入りはならなかったが、実質13位とあと一歩のところに迫り、ボディビル界の“超新星”としてその名をとどろかせた。

迎えた今年は、9月の日本クラス別選手権では75kg以下級に出場。圧倒的な絞りと強烈なバックポーズが武器の藤井貫太朗に敗れて2位となったが、この日本選手権ではそこから一段階ギアを上げ、完成度を高めたボディでステージに立って藤井を上回る5位と上々の結果を残した。

各筋肉が丸々と球体を成しており、インパクト抜群なボディを持つ渡部だが、日本クラス別ではやや絞りが甘かったことで「食事はあまり変えず、有酸素を増やしたらパっと体重が落ちて今日のステージでした」と調整を振り返る。「日本クラス別優勝を目標に掲げておきながら、あのときは、こっち(日本選手権)を見すぎてたんです。今日100%を持ってこれたので、まぁ結果的には良かったんじゃないかな」と話した。

「目標はファーストコール(予選審査で最初の比較審査で呼ばれる)やったんですけど、それは叶わず。うん、まぁでも自分の考えていたぐらいの結果で、妥当な順位だなと思っているので、嬉しい、悲しい、悔しいが入り混じっているような感情です」

愛媛県出身の渡部は24時間交代制の工場に勤めていたが、この9月に退職。一念発起して上京し、“職業・ボディビルダー”として生きていくことを決断した。ジュラシック木澤こと木澤大祐が中心となったプロ選手を育成するオーディション番組「NEXT HEROS」でもファイナリストに残っており、「日本選手権っていうのはネジぶっ飛んでる人らの集まりなんで。飛ばすとこは飛ばさないと。本気で日本一目指します」と決断の理由を話していた。

明日19日には、昨年も出場して5位入賞を果たしたジュラシックカップに参戦。日本選手権でも並んだ扇谷開登をはじめ、寺山諒、喜納穂高、杉中一輝、さらに他団体の相樂翔ら強者揃いの中でさらなる上位を目指していく。

「僕はもう職業・ボディビルダーになったんで。その姿をこれから見せていくので応援よろしくお願いします。ジュラシックカップでは優勝します!」

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