異次元の技術と挙上重量! 世界最強クラスのパワービルダー~牛山恭太【筋肉マニアのビルダー解体筋書】




YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、第3回ジュラシックカップグランドクラス16位の牛山恭太選手です。

【フォト&ムービー】パワービルダー・牛山のボディ

パワーリフティング元世界記録保持者

牛山選手は、パワーリフティング66kg級における現アジア・日本記録保持者です。BIG3のMAXは、スクワット247.5kgベンチプレス177.5kgデッドリフト300kgトータル725kgと凄まじく、この記録は当時の世界記録を更新した日本人史上初の快挙でもありました。すでに伝説級の選手ですが、その年齢は28歳と若く、今後も偉大なパワーリフターとして数々の功績を残していくことは間違いないでしょう。

パワーの競技者であれば、知らない人はいない牛山選手ですが、ボディビルにおいても素晴らしい成績を残しています。デビュー戦となった2022年マッスルゲート札幌大会では70kg以下級・新人・クラシックフィジークで優勝を果たし、3冠を達成。翌年には、北海道選手権6位、東日本クラス別70kg以下級7位と存在感を見せつけました。また、先日のジュラシックカップでは、非常にハードな絞りとパワーリフティング熟練者ならではの機能性を生かした安定感抜群のポージングを披露し、昨年オープン優勝の真栄里光選手を上回りました。

ボディビルにおいて、BIG3の記録のバランスは、全身の筋肉のバランスと非常に関係が深く、牛山選手の体はそれを雄弁に語ってくれています。彼は、大筋群を中心に比較的均整の取れた肉体をしており、それに加えて背中やハムケツといったバックポーズの要となる部位が強みになっています。上部から下部までギッチリと詰まった広背筋、ストリエーションが走るほど質感の良い大臀筋に、明瞭で一切ブレのないハムストリングスのカットは、トップビルダーにも劣らない安定感を示しています。一方、体幹部や下半身に比べるとフロント・バックでの肩腕のサイズ感がやや見劣りしているように見えます。

牛山選手がBIG3の中で最も得意とするデッドリフトでは、広背筋、脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスが特に発達しやすく、これはボディビル的な観点で見た時の彼の強みと一致します。加えて、バランスのいい大胸筋や大腿四頭筋もベンチやスクワットの記録に反映されており、BIG3と筋肉の関係がいかに深いかお分かりいただけると思います。優れたバランスと残している成績から考えて、牛山選手は世界最強クラスのパワービルダーと言って過言ではないでしょう。

今回は、牛山恭太選手についてお話しさせていただきました。パワーリフティングは勿論のこと、ボディビルダーとしてもまだまだ成長を見せる牛山選手の今後が楽しみですね。

次回は、筆者最注目の次世代ビルダーについてお話しします。お楽しみに!

【動画】筋肉マニアによるボディビル解説

【連載】筋肉マニアの解体筋書