11月23日、全国の予選を勝ち抜いた選手たちが集い、両国国技館で開催されたベストボディ・ジャパン2025日本大会。激戦のモデルジャパン部門女子は37歳、レディースクラス(30~39歳)の名取杏奈が総合グランプリに輝いた。
【フォト集】最高峰のベストボディが集結~2023日本大会モデルジャパン部門女子~
「30代になって体型維持のために始めたダイエットが、いつしか本気のボディメイクになっていた」という名取。昨年までは予選落ちが続き、トップ10入りすら未経験。しかし、今シーズンは4大会に出場し、すべてグランプリを手にする快進撃。勢いそのままに一気に頂点へと上りつめた。
「うれしいというよりも、自分でもびっくり。1年前には総合グランプリをいただくなんて思ってもいなかったですから」
快進撃の裏にあったのは、すべてを変えるという覚悟。生活リズム、トレーニング、食事、メンタルなど、ボディメイクに関わる要素をひとつ残らず見直した。
「朝がすごく苦手だったんですけど、克服したくて毎朝起きたらすぐにポージング練習をするようにしました。苦手をなくすことで自信が生まれたし、メンタルも強くなれた気がします」
朝の練習は、単なるルーティンではない。体の見せ方や所作を磨き、自分の魅力を最大限に引き出すための自己表現のためのトレーニングだった。今シーズン出場したすべての大会で頂点に立てたのは、そうした地道な探求心がある。
「今まで全然勝てていなかったから、結果を出すことが自信につながった。試行錯誤してきたけど、やってきたことに嘘がないと思えた1年でした」
総合グランプリとなったことで、今大会の部門上位5名に与えられる、BEST BODY UNIVERSEのプロカードも獲得。名取の視線はすでにその先に向いている。
「ここからが本当のスタートだと思っています。来年に向けてプロとして恥ずかしくない体をつくり込みたいです」
頂点をつかんでもなお止まらない向上心。新たなステージに向かう名取の挑戦は、もう始まっている。
取材・文・写真/石川哲也

