YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2024年日本ジュニア170cm以下70kg以下級3位の羽成温朗選手です。
大人数でも一際目を引くフロントポーズ
羽成選手は現在24歳で、筆者が昨年から最も注目している若手ビルダーの1人です。2018年全国高校生で6位を獲得して以降、着実に成績を伸ばし、昨年にはMr.茨木優勝、日本ジュニア階級3位、関東クラス別2位入賞を果たし、彼のキャリア史上最高の年となりました。
そんな羽成選手の特徴は、とんでもないインパクトを誇る上背部とそれに伴った強烈なプロポーションです。大円筋と広背筋上部が極めて発達しており、ウエストも細い為、フロントポーズは信じ難いアウトラインをしています。四肢と背中が強く、タイトな腹回りを持つ選手は、Xシェイプと呼ばれる輪郭をしていることが多いですが、彼の場合はTシェイプと言っても過言ではないほどとにかく背中の主張が激しいです。
しかしながら、単に背中が強いだけではなく、プロポーションも抜群です。その上、ポージングが柔らかい為、より広がりの強いフレームを形成しています。彼は、ボディビルにおいて最も重要とされるフロントポジションとフロントダブルバイセップスの印象が飛び抜けており、サイドやバックでも自身の強みが存分に発揮されています。昨年、総勢51名という規模の日本ジュニア階級別において3位入賞を果たしたのは、間違いなくこのフロントポーズのおかげでしょう。
一方で、彼の課題は下半身の密度と仕上がりです。充実した上半身に比べると、内転筋のボリュームや臀部のサイズがやや見劣りしており、質感においてもまだ伸び代があるように感じます。ただ、マッスルコントロールやポージングは安定している為、今後のバルクアップ次第で一気に日本トップクラスの選手になる可能性もあると思います。
今回は、羽成温朗選手についてお話しさせていただきました。今年は、ゴールドジムジャパンカップに出場予定の羽成選手。躍進を果たした昨年からどんな進化を見せてくれるのか非常に楽しみですね。
次回は、日本ジュニア2冠を達成した若き侍についてお話しします。お楽しみに!



