片脚での安定性と筋力を強化!「バックステップ」で階段の昇り降りも軽やかに




体力は年齢に関係なく、誰でも伸ばすことができます。体力とは筋力や持久力だけでなく、日々の生活を軽やかにこなし、疲れにくい体の土台になるものです。

ここではそんな体力を養うエクササイズを、書籍「頭も体も疲れにくくなるスゴイ運動 体力おばけへの道」の著者・澤木一貴さんに紹介していただきました。今回は、片脚での安定性と筋力を強化する「バックステップ」です。

【動画】澤木トレーナーがバックステップを解説

バックステップは、片脚ずつ動かす「左右非対称」のエクササイズ。普段の歩行や段差の昇り降りなど、片脚で支える場面が多い日常生活に結び付く動作です。とくに後ろに足を引いてしゃがむ動きは、前方への負荷が少なく、ヒザ関節に優しいことが特長です。そのため、ヒザのトラブルが心配な方や運動にブランクがある方でも、安全に取り組みやすい種目となっています。

両脚で体を支えるスタンドアップとは異なり、バックステップでは片脚ずつ荷重がかかるため、筋力の左右差を補正しやすく、バランスの取れた体づくりに役立ちます。

まずは10回丁寧にやってみましょう。慣れたら動きを速くして10秒間。それを20秒、30秒まで伸ばしていきます。

【バックステップ】

➀背すじを伸ばして直立。足幅は腰幅と一緒にします。猫背に気をつけて、まっすぐ前を向いて行ないましょう。

➀立位で腕を後ろに振る

②片脚をゆっくりと後ろへ引いてヒザを曲げます。しゃがむときに両手は胸の前で組みます。前脚(残った脚)のヒザが90 度程度になるまで下げます。ヒザがつま先より前に出すぎないように。バランスがとりづらければ、壁に手を添えてもOKです。

②左脚を後ろに引きながらしゃがむ

③後足で軽く地面を押しながら 1 の位置に戻します。左右交互にリズミカルに繰り返します。1 の位置に素早く戻った直後、反対の脚を同様に後ろへ引いていく意識で行ないましょう。

③1と同様に立位で腕を後ろに振る
③右脚を後ろに引きながらしゃがむ

※よくある間違い

前脚のヒザが内側に入らないように注意しましょう。

NGフォーム。ヒザが前に出過ぎてしまう
NGフォーム。猫背になってしまう

このエクササイズの利点の一つは「ヒザへの負担が少ないこと」です。脚を一歩前に出すエクササイズより安全性が高いため、中高年の導入にも向いています。

後方に脚を引く際には自然と体幹が働き、姿勢の安定性やバランス能力が養われます。これは転倒予防にも直結する非常に重要な要素です。片脚の踏ん張りを強化しながら、可動域を広げる効果もあるため、「足が出にくい」「ふらつく」といった加齢に伴う悩みにもアプローチできます。

片脚での踏ん張りが必要なため、体幹や股関節まわりも自然に強化されます。「衰えやすい機能を効率よく鍛えられる」実用性の高いエクササイズであるバックステップ。ぜひ生活の中に取り入れてみてください。

▶澤木トレーナーがエクササイズを動画で解説