ヒールとして輝く“神秘のブラックダイヤモンド” 食事のモットーは「ごはん・主菜・副菜をバランスよく」




現在のキャッチフレーズは“神秘のブラックダイヤモンド”。かつては“闘うジョジョラー”と言われた瀬戸レアは、今やすっかりダークネス・レボリューションの一員として悪党ファイトが板についてきた。センダイガールズからマリーゴールドへ移籍して1年半近くが経過した瀬戸だが、そのバックボーンとして知られているのは農業だ。じつは、農業以外にもレスラーになるための体力を培ってきた過去があった。その瀬戸へのインタビュー全3回の最終回は、瀬戸レア的プロレス論のお話を。

勝ち負けじゃないところでも勝負しているのがプロレス

今後について語った瀬戸レア(写真/橋場了吾)

【写真】“神秘のブラックダイヤモンド”瀬戸レアの決めフォト&試合カット

瀬戸レアは二度シングル王座に挑戦し王座に一歩届かなかったのだが、その相手はともにビクトリア弓月だった。それこそ弓月は10代からプロレスを始め、瀬戸とは同期にあたるわけだが、すでにUN王座とスーパーフライ王座を戴冠している。

「(弓月は)すごいですね。底なし沼ですよ、体力が。簡単な言葉で言うならば(先にベルトを戴冠して)『悔しい』ですよね。あとは、焦りを感じます。どうしたら自分がもっと上に行けるのか、勝ち負けじゃないところでも勝負しているのがプロレスなので。勝ったから、スーパースターになれるわけじゃない。プロレスって勝負どころがいっぱいあると思いますね」

その二度のタイトル戦を経て、瀬戸は感じたことがあった。

「自分はマリーゴールドのタイトルの中で、一番UN王座がほしいんだなと思いました。青野未来、桜井麻衣、ビクトリア弓月が巻いてきた白いベルトは、“感情のベルト”のイメージなんです。“感情”といったら、やっぱり自分かなって。自分のスタイルに合っているベルトだと思います。今だから言えますけど、(11.13新宿大会の弓月戦は)シンプルに楽しかったですね」

弓月とのUN戦の直前、10月1日には古巣センダイガールズが主催するデビュー3年未満の選手が出場権のある『じゃじゃ馬トーナメント』に出場し、2年ぶりに仙女のリングに立った。2回戦では、デビュー戦の相手でもあり同期のYUNA相手にお互いの成長を見せ合い、結果瀬戸は惜しくも敗れた。

「正直、仙女のジュニアベルト(センダイガールズワールドジュニア王座)もいいなと思いますよ。どうせ獲るなら、(現王者の)YUNAから獲ります。ただ期限があるベルト(キャリア2年以内で体重制限なし、キャリア3年以上で体重54kg以内の選手が対象)なので、急がないといけないですね」

立っているだけで『ジョジョ立ちしてた?』と言われることもあったが……

凶器を使うことには躊躇がなくなった(©マリーゴールド)

実は瀬戸は、SUKEBANというアメリカの団体のリングに上がることもある。いつもと違うメイク、コスチューム、キャラクターで、リングネームは『Countess Rea Seto(瀬戸レア伯爵夫人)』だ。

「(海外のリングは)大好きです。何をやっても反応がすごくて。SUKEBANではキャラクターの指定をいただいているので、そのキャラを踏まえて試合をしているのですが、マリーゴールドでは自分のキャラクターがその団体に合っているのかはわからないときもあるんですよ。マリーゴールドは、明るくて女性的なレスラーが求められているような気がするんですが、自分はちょっと万人受けするタイプではないかなって(笑)。前髪に関しても、伸びて切りに行く時間がないときに上げて試合をすることがあるんですが、いつもの重めパッツンより前髪を上げた方が評判は良いです……(笑)。でも、やっぱりこの重めパッツンがアタシのアイデンティティなので、これが瀬戸レアなのでやめないです」

そんな瀬戸だが、食事で気をつけていることはあるのだろうか。

「ラーメンがすごく好きなんですよ。でも食べ過ぎると太っちゃうので、月1って決めています(笑)。あとは、わりとごはん・主菜・副菜をバランスよく食べているほうだとは思います。意識もしているんですけど、自然とそうなるというか、プロレスラーになる前からの習慣ですね。あ、うちの家族はお菓子がつねにあるお家であったので、間食は意識して減らすようにしています。ただ、なんでも我慢しすぎはよくないと思うので、適量にするような感じですね」

最後に今後の展望を聞いてみると……。

「アタシは自分を一変するためにヒールユニットに入った……これが間違った選択だとは思わないですし、遅かれ早かれヒールになっていたと思います。アタシがヒールになったのは運命ではなく、必然。まずはUNのベルトを手に入れるために殻を破っていきます。また、余談ですがジョジョ立ちの復活はないです。普通に立っているだけで『ジョジョ立ちしてた?』と言われることもありますが、アタシが会場でジョジョ立ちをするのは、ツーショット撮影でリクエストをいただいたときのみです。“闘うジョジョラー・瀬戸レア“ではなく、”神秘のブラックダイヤモンド・瀬戸レア“の、必然的なヒールの姿を見ていてください」

ビクトリア弓月、YUNAなど、借りを返さなければいけない相手が増えてきた瀬戸レア。来年1.3大田区大会では、ダークネス・レボリューションの先輩、松井珠紗・CHIAKI組が持つツインスター王座への挑戦も決定的に。試合内容もどんどん良くなっているわけだが、その根本にあるジョジョだったり、農業だったり、剣道だったりとさまざまな要素が今結実している。“神秘のブラックダイヤモンド”の輝きは、今後も闇の中で妖しさを増していくことだろう。