YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2021・2022年全日本学生選手権2連覇の宇佐美一歩選手です。
再評価が望まれる圧巻のバルク
宇佐美選手は、かつて現日本2位の刈川啓志郎選手とも渡り合った学生2連覇王者です。2018年全国高校生選手権優勝という華々しいデビュー戦に始まり、2019年には大学1年生ながら関西学生選手権優勝、全国学生2連覇を経て2023年日本ジュニア70kg以下級の頂点にも立ち、現在は日本大会を中心に活躍されています。
成績もさることながら、彼の凄さはそのこだわりにあります。集中力を高めるためにゴーグルで視覚を遮断してトレーニングを行う、暗闇の中スポットライトの灯りのみで食事に集中するなど、独自のルーティンを確立しています。TV番組では「孤高のボディビルダー」として紹介されており、若き競技者達のカリスマ的存在でもあります。
そんな彼の特徴は、あまりに隙のない上半身です。大胸筋、三角筋、上腕、どこを見ても非常にバランス良く発達しており、上体の完成度は理想的と言えます。特筆すべきはその背中。僧帽筋、広背筋、棘下筋までもが完璧に独立した圧巻のセパレーション。広背筋下部の厚みや広がりまで余すことなくカバーされており、その肉体は”伝説の男”須江正尋の若き日を彷彿とさせます。上半身のデカさ、バランス、ディフィニション(筋肉の明瞭さ)において彼を上回る者はそういないでしょう。
上下のバランスという観点から見ると、下半身にはもう少しバルクが必要になってきますが、毎年改善されており、トータルで見ても他の選手を大きく上回っているように見えます。日本ジュニア優勝以降、成績が伸び悩んでいる宇佐美選手ですが、筆者個人の見解としてはもっと評価されても良い選手の1人だと思います。
今回は、宇佐美一歩選手についてお話しさせていただきました。孤高の男として、日々ひたむきに鍛え抜く彼がボディビルダーとして再び開花する日が来ることを願いたいです。
次回は、突如現れた超次元プロポーションを持つクラシックフィジーカーについてお話しします。お楽しみに!


