プロレスラー・藤波辰爾の最新刊「マッチョ・ドラゴン式トレーニング 古希でも闘える体づくり」(発行・ホーム社、発売・集英社)が話題になっている。

そりゃ、そうである。「古希」というパワーワードに、現在でも筋骨隆々としている藤波辰爾の写真が組み合わさった表紙は確実に目を引く。ちなみに表紙の写真はスタジオで陰影をつけて、筋肉を強調したものではなく、ナチュラルな感じで撮られたもの。昨年11月に撮影したばかりの近影で、この1枚がこの本の説得力を爆上げしている。
本のタイトルには「古希」とあるが、藤波辰爾の実年齢は72歳! 今でも月に数試合はリングに上がっているバリバリの現役プロレスラーである。ある程度、年齢を重ねて筋肉が落ちてくると、ロングタイツで足の衰えを隠したり、Tシャツを着たままファイトするケースも珍しくないし、ファンもそういった対処を批難することはほとんどないのだが、藤波辰爾は黒のショートタイツ姿で闘うことにいまでもこだわっている。
「どこかのタイミングでロングタイツにしておけばよかったなぁ〜、と思うことはあるけどね(笑)。まぁ、今となってはそこまではしたくない。ショートタイツだと太ももの部分が垂れ下がっていると、それを隠すことができないし、リングに立つのにみっともないし、それは自分で鏡を見ればわかるから、とにかくストレッチとトレーニングを続けて、ショートタイツ姿でリングに立てる肉体を保っていますね」
72歳で闘うには、それだけの覚悟と鍛錬が必要。現在、藤波は1日3時間のジムワークを週に5回も続けているという。
「これはよく誤解されがちなんですよ。『もう70歳を超えたんだから、そんなにトレーニングしなくてもいいんじゃないか?』とよく言われるんだけど、それはまったくの逆。歳をとった今だからこそ、毎日のようにトレーニングしなくちゃいけない。1日休むと、元に戻すのに時間がかかるし、最近ではそれを日に日に感じている。もちろん若いころのような激しいトレーニングを長時間はできないですよ。大事なのは毎日のように続けること。練習の質や量よりも、続けることが大切だと思います」
それはプロレスラーだけでなく、一般人でも同じだという。普通、こういったトレーニング本には「この運動を〇セットする」とか「1回〇〇分続ける」といった記述があるが、この本には基本的にそういった指示は書かれていない。

「みなさんの基礎体力はそれぞれだし、コンディションも毎日、変わるよね? だから何回やれ、とか何分やれとかは決められないですよ。疲れているのに『この本に何分やれって書いてあるから、もうちょっとがんばらなくちゃ』と思われてしまったら困るし、そんなに長い時間、トレーニングできないとあきらめられてしまったら意味がないよね? 自分のペースでやることが大事だし、とにかく続けることが重要だから。まずはジムに通わなくちゃいけない、となったら、それだけでハードルが高くなるし、最初に高い器具を買いましょう、となったら、続けるどころかはじめることすらあきらめる人が出る。だから、無理せず、自宅でできるトレーニングを中心に本を作りました」
実際に自宅でできること、それも日常生活でのなにげないアクションをトレーニングに昇華させた動きが多いので、その気になれば、今すぐに始められる。じつはそういったトレーニングは、藤波辰爾自身がある大ケガをしたことにより、自宅で意識し始めた動きがルーツになっていた(2月19日、朝7時10分公開の#2に続く)。
