ペットボトルがあれば即できる 72歳レジェンド直伝の肩甲骨エクササイズ




中高年のプロレスファンであれば、新日本プロレスの道場に常備されていた独特なトレーニング器具『コシティ』の存在を知っているだろう。

特殊な形をした大きくて重たい棍棒のような器具で、プロレスラーたちはそれを軽々と振り回してトレーニングに励んでいた。おそらく市販はされておらず、もし入手できたとしても、家の中でブンブン振り回すのはちょっと危険。まさにプロレスラーにだけ許された、ストロングスタイルを象徴するトレーニング器具である。

写真提供/カートプロモーション

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「これはよく勘違いされがちなんだけど、コシティというのは怪力を養うものではなく、不安定で重たいものを回すことで全身の筋肉と関節のバランスをよくするためのトレーニングなんですよ。全身の関節の柔軟性を養いながら、筋力も鍛えられる。

これはプロレスだけでなく、いろんなスポーツで有用だと思うんですよ。特に野球のピッチャーとかね。今、メジャーリーグでたくさんの日本人投手が活躍しているでしょ? まぁ、彼らは最先端のトレーニングをやっていると思うんだけど、時には基本に返ってね、コシティを使った練習を取り入れてみるのもいいんじゃないかなぁ〜」

プロレスファンにとっては憧れのトレーニングであるが、今回、藤波辰爾は自宅でも気軽にトライできるコシティ風のトレーニングを提案してくれた。それは自宅にある空のペットボトルを利用したもの、である。

「大きな2リットルのペットボトルだけでなく、500ミリリットルの小さなものでもいいと思います。自分の体格や体力に合わせてやってみてください。ペットボトルに入れる水の量によって重さは調整できますけど、あくまでもパワーをつけるためのトレーニングではないので、水をいっぱいに入れる必要はない。むしろコシティを再現するには、水を半分ぐらい入れて、不安定な状態を作ったほうがいいかもしれないですね。ただ、ペットボトルは振り回すために作られたものでないので、実際にトレーニングをするときには、十分に気をつけてやってみてください」

これこそ、いますぐ自宅にいながらにしてはじめられるトレーニング。実際にペットボトルで試してみると、デスクワークでガチガチになっていた肩甲骨周りがグリグリ動いて心地いい。デスクにぶん回すためのペットボトルを常備しておきたいぐらい、手応えを感じられる「からだが目覚める」瞬間を味わえた。

コシティでのトレーニングを日本に紹介したのは『プロレスの神様』ことカール・ゴッチだと言われているが、若き日の藤波辰爾はフロリダにあるゴッチ道場で地獄のトレーニングを体験している。

「当時、僕はジュニアヘビー級(体重105キロ以下の階級)でベルトも巻いていたんだけど、本当は早く体を大きくしてヘビー級として闘いたかった。でも、ゴッチさんのトレーニングは本当に厳しくて、体重を増やすことなんてできなかったんですよ。一度、ゴッチさんに『もっと体を大きくしたい」と直訴したこともあったけど、ゴッチさんは『なにを言っているんだ?』と。プロレスラーはいかにコンディションを整えるかが第一で、パワーなんてものは最後に考えればいいんだ、と言われました。その教えはいまでも肝に銘じていますね』(2月21日、朝7時10分公開の#4に続く)