柔道金メダリスト・ウルフアロン、「真のプロレスラー」になるための試練とは?




1月4日、東京ドームで衝撃的なプロレスデビュー戦を果たした柔道・オリンピック金メダリストのウルフアロン。東京ドームは4万人を超える大観衆で札止めとなり、地上波でもその日のうちに試合が全国中継されたため、かなりの人数が目撃し、日本中に衝撃が走った。

写真/柔道マガジン

【フォト】ウルフアロンの強烈な柔道技

なんと言ってもデビュー戦からいきなりタイトルマッチで、しかも一発でNEVER無差別級王座を戴冠してしまうという金メダル級のインパクト。だが、すでにウルフの腰に黄金のチャンピオンベルトは巻かれていない……。

なぜならば2月11日、大阪で行なわれた初防衛戦で成田蓮にわずか2分8秒でフォール負けを喫し、王座から陥落してしまったからだ。デビュー戦での圧倒的な強さを見た人からしたら「たった2分ちょいで負けちゃうの?」と疑問が残るかもしれないが、じつはこれにはプロレスならではの裏がある。挑戦者・成田蓮のセコンドについたヒール軍団H.O.Tのメンバーがウルフアロンの入場時に背後から襲撃。3人がかりでボコボコにされたところで試合開始のゴングが鳴らされ、まだTシャツも脱いでいないうちに、ほぼなにもできないまま負けてしまったのだ。

真正面から組んだら投げられるし、倒されたら締め技が待っている。デビュー戦で見せつけた強さは柔道であれば鉄壁の方程式なのだが、プロレスのリングでは「だったら組まないし、投げられないようにズルをする」も全然、アリなのだ。他のスポーツからプロレスに転向した大物が必ずつまずくのが、このなんでもアリな部分。ウルフもその洗礼を食らってしまった、ということになる。

東京ドームでのデビュー戦の翌日から、ウルフは巡業に帯同し、日本全国でプロレスファンを沸かせてきた。シングルマッチでデビューしたので、タッグマッチや6人タッグマッチは初体験だし、日本全国を旅しながら、毎日のように試合をする、というのもはじめての経験。移動と試合の繰り返しの中、コンディションを整えていくという『プロの仕事』も、実際に会得しながら闘っている最中なのである。

そんな中での「シングル初黒星」と「はじめての王座陥落」。ここから立ち上がり、ふたたび栄冠を勝ち取っていくための闘いこそが、ウルフが真のプロレスラーになるための試練となりそうだ。