「走るフードコーディネーター」川﨑泰代さんに体づくり、健康づくりのための食事と栄養について教わる連載。引き続き、高校バスケPRESSをご覧の生徒さんや指導者の方、保護者の方からいただいた質問に答えていただきます。
Q.バスケ部のマネージャーをしています。部員が細い人が多く、試合でも当たり負けすることが多々あります。献立を見直そうと思い、部員の夜ご飯を見たところ、タンパク質が足りていないように見えたのですが、理想のタンパク質はどのくらいですか? また、食事で得られなかったタンパク質をプロテインで補うことはいいのでしょうか?
A.運動量によっても異なりますが、一般的に成人男性一日あたり60~65グラム、女性は50~55グラムが適切なタンパク質の摂取量と言われています。バスケなど持久系のスポーツをしている方や運動習慣のある方は、体重1キロにつき1.2~2グラムのタンパク質を摂っても大丈夫です。
何をどのくらい食べれば適量のタンパク質を摂取できるのかということについては、なかなか想像しづらいと思いますが、例えばご飯一杯(300グラム)の中には7.5グラムのタンパク質が入っています。それから、納豆一パックの中には12.4グラム、紅鮭一切れには15.8グラム、牛乳コップ一杯には6.6グラムのタンパク質が入っています。つまり、タンパク質は、肉・魚・卵・大豆ばかりでなく、実は様々な食材の中に入っていて、意外と自然に摂れているという場合も多いです。
選手の方が細身で心配されているということですが、部活でしっかりと運動をされていると思いますし、しっかりとバランスのよい食事を摂っていれば、タンパク質だけの量をそこまで気にしなくても自然と身体はできてくると思います。それでも、なかなか身体が大きくならないということであれば、部活後にプロテインを飲んでみてはいかがでしょうか。プロテインは色々と考えられて作られていますし、運動選手には欠かせない栄養素であるので、市販のプロテインを運動後に摂ることをおすすめします。
ただし、タンパク質=プロテインが身体を作るための重要な栄養素だということに間違いはありませんが、それだけを摂っていれば体格がよくなるということではありません。バランスのよい食事+個々の運動量に見合ったタンパク質を摂取するようにしてくださいね。
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川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。自身の経験から「強い体と心は『食事』で作られる」と言うコンセプトのもと、一般アスリートからトッププロまで幅広く食事を指導。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアでも活動している。
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