東京オープン選手権参戦記①【マッチョ編集長のマッチョコラム第6回】




東京オープン選手権大会への参戦も今年で4回目になる。14年は予選落ちで、15年は決勝進出。そして16年はまたも予選落ち。当落ボーダーライン上で悪戦苦闘しているレベルなので「ボディビルをやっています」とは胸を張っては言えないというか、そんな言葉を口にするのは競技に対して失礼というか、とにかく選手としてはまだまだペーペーなのだ。

毎年この大会は5月上旬に行われるのであるが、今年は6月24日の開催。僕は減量期間を4カ月くらいとるため、年が明けてすぐ、だいたいはキリのいい元旦からダイエットを始めるようにしている。今年は6月開催なので本来なら2月中旬あたりから減量に入れば十分なのが、会社の移転や「VITUP!」のオープンなどが控えていたので、通常よりも緩やかなペースで脂肪を落としていったほうがいいだろうと判断。減量期間を長めに設定し、例年通り1月初旬から取りかかるようにした。

減量前の体重は77.2kg。去年のコンテスト時の体重が67kgだったので、減量幅は約10kg。5カ月かけて月2kgのペースで落としていくという計算だ。その間、食事は基本的に毎日同じようなものを食べるようになる。僕の場合は、玄米のおにぎり、サラダチキン、なんらかのスープとなんらかのサラダ。

僕は数年前の減量期間中に人としての「食事」と栄養素を摂取するためだけの「エサ」の境界線に「温かい汁物」があることを発見。玄米とサラダチキンだけではどうしても「エサ」感が出てしまう。だが、そこに温かい汁物をプラスすることで、「エサ」が「食事」へと昇華するのである。考えてみれば、サルが温かい飲み物を好むという話を聞いたことがないので、もしかしたら「温かい飲み物をすする」という行為は人間のみに与えられた特権なのかもしれない。

4月くらいまでは比較的、スムーズに調整を実行できた。摂取カロリーを例年よりも少し増やしたこともありトレーニングも順調。減量を始めてしばらくすると、以前は挙げられた重量がだんだんと挙げられなくなってくるのだけれど、オフ期間に伸ばしたビッグスリー種目の使用重量もキープ。減量時の最大のポイントとなる筋量維持の面でも、うまく進められているように思えた。

ただ、パンツ一丁でステージに上がるシンプルな競技であるにもかかわらず、ボディビルは大会が近づいてくるにつれて、取り組むべき事項が増えていく。通常のトレーニング、食事管理に加えてポージング練習、有酸素運動、タンニング(日焼け)と、けっこうやるべきことが多くなってくるのだ。

これらすべてを24時間のなかでこなしていくにはちょっとした工夫が必要。日焼けサロンに行くのは深夜の1時ごろ。日焼けには意外と体力を奪われるので、減量中のタンニングはけっこう身に堪えるものがある。

大会前日は1時くらいに自宅に戻って、3時間ほど横になってから翌朝に会場に。控室ではバタンキュー(死語)。極力、横になって過ごすことにした。(つづく)