VITUP!読者の皆様、明けましておめでとうございます。松の内もとうに明けたというのについ使いたくなってしまうこの言葉、英語にすれば「Happy New Year」ですが、「Happy」に限らず「bad」でも「sad」でもとにかく年が明けたことを喜び合おうよという日本語のそれが、私は大好きです。
先日、VITUP!でもお馴染みのぷぅやんこと神田さんのパーソナルトレーニングの取材に同行しました。社内でも別の部署に所属しデスクのある場所も違う神田さんですが、取材などで一緒に外出する際にはいつも鉄道や空手などライフワークに関する知識豊富なお話をたくさんしてくださり、ご一緒するのは密かな楽しみでもあります。
異なる部署に所属するといっても同じビル内。共用のプリンターが私のデスクのある部屋にあるため、日に何度か姿を見かけます。前々からいつ見てもその身体・動きに既視感があると感じていたのですが、先日ついに気づきました。うちの父親に似ているのです。「また寝る前に菓子パン食べてるんちゃうん」「毎日とは言わんからたまにはシャワーだけじゃなくて湯船につかり」「家と身なりを清潔に整えて、お酒も控えて夜はゆっくり眠らなあかん」etc、約300km離れた土地からその不摂生な生活にせっせと苦言を呈している身としては、似ていると気づいてからは神田さんに対して腹さえ立ってくるように(神田さんすみません)。
共感ゼロにみえる発見ですが、限りなく肩甲骨が動かなそうな肩、立派に出ているお腹、可動域のめちゃくちゃ狭そうな股関節(歩き方)と言えば、一部のLEON系パパを除く多くのバカボン系親父を父に持つ世の娘さんにわかってもらえるのではないでしょうか。
そんな神田さんのトレーニングに同行するのです。気合が入らないわけがありません。世の娘を代表して隙あらば指導しよう(小言を言おう)と、取材当日は前のめりにカメラのファインダーをのぞいていました。
しかし、何も言うことがないのです。プランクもランジもスクワットも、神田さんは先生のお手本に従って黙々とこなします。さすが元空手経験者。その身体の強さには目を見張るべきものがあり、指導をすぐに反映して修正する対応力もあります。機敏にステップを踏む姿はまるで別人のよう。たまにおかしな質問をして先生に「なにを言っているんですか」という顔をされても、気にすることなく飄々としている鈍感力も見逃せません。
そんなこんなで、取材が終わるころには神田さんに対してかすかに尊敬の念が湧いていました。人生の先輩というのは、それだけで尊敬すべきものなのかもしれません。私の父親含め、世のお父さんの家でのだらしない姿も、社会と言う荒波で戦っているからこそ。偏った食生活も、しんどい仕事の息抜きなのでしょう。
だからこそ、わたしたち娘は心配なのです。家族のために頑張って使っているその身体と、永く仲良くしてほしい。ほんの少しの工夫でそれは叶うはず。
そんな思いが強まった今回の取材でした。今年もVITUP!では、トレーニングを頑張る皆様、そしてトレーニングに挑戦してみようと思っている皆様に、有益な情報をお届けして参ります。そのなかに、たくさんの「お父さん」がいますように。そして、鍛え上げた姿で娘さんたちから大きな尊敬を集められますように。心から願っています。
文/編集Y