【石森太二の「TAIJI THE WORLD」第19回】分厚い胸板をつくる? 胸のトレーニングについて




プロレス界でも屈指の筋肉美を誇る石森太二選手の連載コーナー『TAIJI THE WORLD』。トレーニングをしている人には、人それぞれの目標があるはず。そうしたなかでも、かっこいい体になりたいという人は多いでしょう。今回は男性ならば誰もが憧れる分厚い胸板をつくるための胸トレーニングについて、石森選手のトレーニング法を聞きました。

全体に効かせるベンチプレスから
上部→中部→下部と鍛えていく

トレーニングをしていて、筋肉をつけたい箇所は人それぞれだと思います。太い腕を手に入れたいという人もいれば、腹筋をシックスパックにしたいという人もいるでしょう。女性の場合では最近はお尻のトレーニングが流行っていますね。

人それぞれとはいえ、分厚い胸板というのは、トレーニングをしている人にとって一つの憧れだと思います。自分は全然分厚い胸板ではありませんが、確かに胸の筋肉が盛り上がっていると格好良く見えます。今回は胸トレーニングについて書いていきましょう。

自分の場合、胸のトレーニングの日は最初に大胸筋全体に効かせるためのベンチプレスを行ないます。ベンチプレスは共同筋で、胸だけでなく肩や上腕三頭筋も使いますが、一番筋肉が張りやすくわかりやすいので、最初に行なうようにしています。ポイントは5~6回できるぐらいの高重量でやること。最初の種目で全体に刺激を入れて、その後は上部→中部→下部とそれぞれのメニューを続けていきます。

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上部のメニューはインクラインです。インクラインのベンチ、またはダンベルプレスを週替わりでやっています。最初のベンチプレス同様、上部種目も5~6回、高重量で行ないます。上部に続いては中部。メニューとしてはチェストフライなどを取り入れています。最初の2種目を高重量でやって筋肉にだいぶ刺激が入っているので、ここは15回できる重さで4セットくらい。チェストフライはテンポを大事にしてやるようにしています。

ポイントはネガティブ動作をゆっくりすること。収縮のときは速くてもいいのですが、戻すときはゆっくり動かします。ちなみにトレーニングでは持ち上げる動きを「ポジティブ」、下ろす(戻す)動きを「ネガティブ」と言います。このチェストフライは、力を出すときではなく戻すときに2秒くらい時間をかけます。きついとどうしても速く戻してしまいがちですが、ここで我慢できると筋肉により刺激が入ります。

最後は下部のメニューです。現在、主に下部のメニューとして取り入れているのはケーブルクロスです。これも中重量高回数なので、15回ぐらいできる重さで行ないます。他にも下部のメニューはディップスもあります。ディップスはやり方によっては上腕三頭筋に効かせることもできますが、体を前傾してやることで胸筋の下部に効かせることができます。

胸のトレーニングをまとめると、①大胸筋全体のベンチプレス→②胸筋上部のインクラインのベンチorダンベルプレス→③胸筋中部のチェストフライ→④胸筋下部のケーブルクロスという流れです。もちろん、やり方は人それぞれなので自分に合ったやり方、メニューを見つけて分厚い胸板をつくってください。

 

石森太二(いしもり・たいじ)
1983年2月10日、宮城県出身。闘龍門に入門し、2002年5月11日、メキシコ・アレナ・コリセオでの橋本史之戦でデビュー。2006年からNOAHに参戦し、GHCジュニアヘビー級王座最多防衛記録となる10度の防衛を記録。2018年にNOAHを退団し、現在は新日本プロレスを主戦場として、ジュニアヘビー級戦線で活躍している。プロレス界でも屈指の筋肉美の持ち主。