長友佑都の専属シェフが東京マラソンランナーへアドバイス!~加藤超也さんが語る「ランナー向け持久力につながる食生活」を開催~




東京マラソン2019のオフィシャルパートナーであるアメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.が立ち上げた、東京マラソン2019の参加者及びすべてのランナーをサポートすることを目指したプログラム『#amexrun for 東京マラソン 2019』。その特典の一つとして、ランナーと食をテーマにした“スペシャルランニング講座”が開催されました。講師は、サッカー日本代表・長友佑都選手の専属シェフを務めるなど、さまざまなアスリートの“食”をサポートする加藤超也(かとう・たつや)氏。今回は、2月9日(土)に東京都内で行なわれたイベントの模様をレポートします。

「ランナー向け持久力につながる食生活」と題して開催されたこのイベント。まずは加藤超也氏がサポートする長友佑都選手(サッカー日本代表)が、“食トレ”でどのようにパフォーマンスを発揮してきたのか?というところからスタート。

長友選手はかつてイタリアの強豪クラブ・インテル・ミラノの主力選手として活躍していたものの、年に3,4回は筋肉系のケガを起こし、試合から離れることも増えていました。「当時の彼は、『サッカー選手なんだからケガをするのは当たり前』と言っていた」と加藤氏は話します。その結果、出場機会を減らしたこともあり、2017年末にインテル・ミラノからトルコのクラブへ移籍することになりました。

「数年前までの彼は甘いものが大好きでした。イタリアではおいしいメロンパンを売っているパン屋さんが近くにあり、“溜め買い”をして食べるのが日課だったようです。ただ、ケガが増えるなかで、どうにかして食事でコンディションを変えたいという思いがあり、縁があって私と二人三脚で“食トレ”をすることになりました。北里大学の山田悟教授にも協力いただき、彼が食べたものを食材から調味料までグラム単位で見える化。必要な栄養素はすべて食事から摂取するようにしました。

そのなかで、血糖値の管理や、PFCバランス、すなわちタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)をどのようなバランスで摂るのが彼にとって適切でケガをしづらい体 になるのか、持久力に向上につながるのかを医学的根拠をもってサポートしていった結果、この2年間、長友選手は筋肉系のトラブルはありません」

続いては、会場に集まったランナーに向けたアドバイスのセッションへ。ここでは、実際に長友選手も行なっているという「ファットアダプテーション食事法」を紹介。この食事法のポイントは、“脂質をエネルギーに変える”という点にあるとのこと。

「この食事法での長友選手は、『タンパク質3割、脂質が4割、糖質が3割』と、一般的な『食事バランスガイド』で推奨されている“糖質をエネルギーにする食事”とは異なっています。糖質が少ないのではないかと思われる方もいると思いますが、例えば、お魚を中心にした定食でタンパク質と、タンパク質に含まれる良質な脂質を摂取することで、“脂質をエネルギーに変える”ことを実践しています」

これによる効果については、糖質を“財布に入っている現金”、脂質を“銀行の預貯金”に例えて詳しく説明しました。

「糖質はどれだけ摂取しても、ため込んでおけるエネルギーの量が決まっています。財布の中に入れられる現金の量が決まっているのと同じです。それを使い切ったら財布からお金がなくなり、買い物ができません。つまりエネルギーが枯渇してしまう状態です。ところがこの食事法で栄養を摂取していると、財布に現金がなくなったときに銀行の預貯金が財布に入ってくる、つまり脂質のエネルギーを活用できる仕組みになっています。こうして長友の場合は90分走りきれる持久力を手に入れましたし、みなさんの場合はマラソンで走りきれる持久力を手に入れることができるかかもしれません」

そしてこのイベントでは、長友選手も気に入っているという、加藤氏考案のスペシャルメニュー「鶏肉のトマトクリームポタージュスープ」「エビとパプリカのポタージュスープ」の2種類のスープが参加者にふるまわれました。「どちらも一杯でタンパク質30gを摂取可能」というのがポイントとのことです。

「『鶏肉のトマトクリームポタージュスープ』は、トマトソースをベースにヨーグルトを水切りして使用しています。『エビとパプリカのポタージュスープ』はエビの殻で出汁をとり、抗酸化作用のあるパプリカをふんだんに使用しています。パプリカは加熱してもビタミンを損失しにくいのでオススメですね」

最後は、参加者からの質疑応答へ。「加藤氏がこだわって使っている塩の話」「日本だからこそ魚のお刺身をオススメする話」「コンビニでオススメの食品」……など、会場に集まったランナーからの多様な質問に一つひとつ丁寧に答えていきました。

「みなさんそれぞれのコンディション調整法があり、すべてを崩す必要はないと思います。みなさんが自身の体をよく知ることがまず重要で、そのなかで、今回お話した長友佑都が実践してきた方法のエッセンスを持ち帰っていただいてコンディション作りにつなげていただければと思います」

最後に加藤氏はこう締めくくり、イベントは終了。約1時間という短い時間でありながら、コンディショニングに役立つ“食”の話を聞きながら加藤氏の料理も味わえるという、非常に充実の時間となったことは間違いありません。

★加藤氏のインタビューは後日公開予定です。こうご期待!
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取材・文・撮影/木村雄大

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