開幕直前!ラグビーワールドカップが楽しくなるコラム〈後編〉【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第81回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 『ラグビーワールドカップ(RWC)2019』日本大会の開幕まであと5日。というわけで前回に引き続き、RWCを楽しむためのラグビー観戦ガイドをお届けしましょう。

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今回は15人のメンバー、ポジションと選手の特徴から紹介していきます。ラグビーは背番号でポジションを表します。スクラムの最前列に入る1番と3番はプロップ。相手とスクラムで真っ向勝負をするポジションであり、とにかく屈強な選手が入ります。同じスクラムの最前列に入る2番はフッカー。スクラムの際、フッキングといって足でボールをかき出す役割も担います。

スクラムの2列目に入る4番と5番はロック。ボールがタッチラインを出ると、両チームが2列に並んだ間にボールを投げ入れるラインアウトが行なわれます。このときにジャンパーを務めることが多いのがロックで、身長の高い選手が入ることが多いポジションです。スクラムを左右から支える6番と7番はフランカー。スクラムからボールが出たとき、相手ボールならすぐにタックル、味方が持っているときはフォローと、FWでありながらたくさん走るポジションです。

8番は№8(ナンバーエイト)で、FWのリーダー的存在。ディフェンス、オフェンスともに自由度が高く、攻守の要となるポジションです。9番のスクラムハーフは、その名の通り、スクラムの際にボールを入れたり、出したりする役割。スクラムに限らず、ラック、モールといった密集からボールを出す役割があり、俊敏性が求められるため、体の小さい選手でもできるポジションです。10番はスタンドオフ。チームの司令塔であり、パス、キック、ランと攻撃の判断をして、チームをけん引します。

11番と14番はウイング。チームの中でもとくに俊足の選手が入り、両サイドからボールをトライにもっていく役目を担います。12番と13番はセンターで、ウイングよりも相手との距離が近いため、タテにボールを運べる強さが必要。相手の侵入はタックルで防ぎます。そして最後に15番はフルバック。最後尾に位置する、最後の砦。全体を見渡せるポジションからチームに指示を出します。

それぞれのポジションによって求められる個性が異なるので、体重が重たい選手、背の高い選手、小柄で俊敏な選手、足の速い選手…と、いろいろなタイプの選手がチームにはいます。

さて、居酒屋でラグビーの話になったときのために雑学も紹介しておきましょう。ラグビーはボールの形が楕円なのが大きな特徴です。なぜこの形なのか? ラグビーが行なわれるようになった当初は、豚の膀胱に空気を入れた真円ではないボールを使っていたため、形が似ている楕円のボールが使用されるようになったのです。もともとは革製でしたが、現在はゴム製になり、キックの飛距離が飛躍的に伸びました。

最後にテレビで見ていて疑問に思うであろうことを解説しておきます。ラグビー日本代表にはたくさんの外国人選手がいます。ラグビーはパスポート主義ではないため、「国の代表」というよりも、「国のラグビーの代表」という意識が強く、外国籍の選手でも、以下の条件を満たせば、代表になれるのです。①出生地 ②両親か祖父母の1人がその国の出身 ③3年居住(2020年以降は5年に変更)。

日本代表「ブレイブブロッサムズ」は、日本のラグビーの代表として、世界と戦います。目標はベスト8。その勇敢な戦いぶりに注目してみてください。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。