「筋トレを始めたいが何からやっていいのかわからない」といった初心者の疑問から、マニアにも役立つ知識まで、骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生にきいてしまう連載企画。第8回は、疲れている時にトレーニングをすべきかという永遠のテーマについて。
A.トレーニングをしたほうが疲れをリセットできます
人によって疲れの種類も考え方も違うと思いますので難しい問題ですが、私の場合でいえば少し無理してでもトレーニングをしてしまいます。トレーニングの刺激は日常生活とは比較にならないほど大きいですから、自律神経系が一気に興奮して、その後スムーズにリラクゼーションに入れます。トレーニングをすることでリズムが整うのです。そういう意味では短時間でもやったほうがいいと考えます。
ただ、トレーニングに対するモチベーションが上がらない、集中できないという状態でやるべきかどうかは考え方が分かれると思います。私の場合は、やったほうがメリットが大きいとわかっているので、時間を短くしたり普段とはメニューを変えてでもやったほうがいいという考え方です。
いつも通りのメニューをこなす自信がないなら、種目を絞ったり、自重系のサーキットトレーニングをやるという方法もあります。自重系のトレーニングであれば、ジムに行かなくてもいいですし、普段走っていないならランニングをしてもいいでしょう。一度自律神経系に強い刺激を入れてリセットをかけるのが目的ですので、普段のメニューにこだわる必要はありません。いつもと違う種目をすることで、筋肉に違う刺激を入れることもできます。
もう一つ、これは気持ちの問題ですが、トレーニングに行く気が起きないほど仕事で疲れているとしたら、結構長時間働いているのだと思います。1日の大部分を仕事で人に使われて過ごしてきたなら、最後にトレーニングをして、自分の成長のために時間とエネルギーを使うと、その日を自分のために時間を使って終われると思います。家に帰って、次の日の仕事のために休むだけだと、仕事のための1日になってしまう。1日の終わりにトレーニングをして、その日を自分のものにして休む。そのほうが気分的にも前向きだと私は思います。
岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
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