アスリートだから生まれる視点 時代の最先端を行くDNSに直撃取材 第4回




アスリートの魂が未来を切り拓く

おいしいプロテインからアンチドーピングへの対策などすべてはアスリートファーストの考えを突き詰めたからだ。社員の多くが、体を鍛えているからこそ生まれる発想がある。アスリートが最も欲している製品を、アスリートである自分たちが企画し、開発し、そして販売する。そこにDNSの輝かしい未来が拓けている。

 
圧倒的なプロ意識と、言い訳しない姿勢。これがDNSドームという会社を作り上げている。根底にあるのは「アスリートの悩みを解決する」という思いだ。

眞里谷「当たり前のことを徹底しているだけです。アンチドーピングという点でいえば、万が一ドーピングチェックに引っかかった場合、真っ先に社会的制裁を受けるのはアスリートですよね。彼ら、彼女ら自身の努力が水の泡になるだけでなく、応援している人、ひいては一般の方にも影響があります。2020年の東京五輪に向けてスポーツにどんどん注目が集まっている今、考えられるリスクは可能な限り排除したいですから」

有明にあるDNS本社

「言い訳しない」未来へ繋げ、アスリート魂

どこまでも真摯にスポーツと向き合う姿勢、意識の高さが、時代の最先端を行くブランドを作り上げているのだろう。

岡先「以前、テレビ番組で『街中の人でベンチプレス100㎏を挙げられるのはいったい何人!?』という企画がありました。その番組の結果は、100人中3人。じゃあうちの社内はどうなんだろうとアンケートを取ってみたら、130人中35人でした。そういう会社なんです(笑)」

聞けば社員の多くは週3回以上のジムワークをするとか。そして自然とベンチプレスの社内ランキングができて、社員同士が自然と切磋琢磨している。1位は今回取材にご協力いただいた岡先さん。記録はなんと、210㎏だ。

岡先「ちなみに2位が170㎏、3位が165㎏と続きます。ある役員の方は非常に激務ですがハードトレーニングを欠かさないですし、早朝からトレーニングをしている社員がDAH(株式会社ドームは「DAH」と呼ばれる、超本格的なジムを社内で保有している)にいるのも至って普通の光景です。世の中にトレーニングやフィットネス、スポーツを普及していこうと思ったら、まず自分たちが行っているということが大事だと思うんで」

トレーニングが義務付けられているわけではない。それでも自発的にジムワークを行う社員が多いのは、この会社の「常識」となっているからだろう。始業前に汗をかき、さっぱりした気持ちで仕事に臨む。トレーニングも仕事も全力で取り組む。会社全体に溢れる、明るくポジティブな空気感は朝一番のトレーニング習慣なのかもしれない。

岡先「うちの会社の人と話していて、『やっぱりそうだよね』となったのですが、朝って、基本的にトレーニングできるはずなんですよ。早く起きればいいんですから。できない理由は『起きれない』だけです。夜は仕事の関係上できなかったとしても早く起きるというのは、自分でコントロールできる部分です」

日本国内で見れば、朝起きてまずトレーニングというのは、異端なのかもしれない。しかし、世界規模で見てみると、あるアメリカのNFL選手は朝4時からトレーニングを行っていたりもする。当然個々人に依るところもあるが、早朝にトレーニングする人は特に珍しくはないそうだ。日中はプロモーション等で忙しいから、やるべきことはできる時に必ずやるというのがその理由。もともと体格で勝る海外選手が、いわゆる根性も兼ね備えているという事実。このままでは日本がどんどん遅れを取ってしまう。

岡先「根性だけが全てというわけでもなければ、精神論を言うつもりもないですけど。でも、いまの日本に『日中はスケジュールが詰まっているから早朝にトレーニングしよう』と考えるアスリートが何人いるか。世界基準で考えたら日本が遅れを取っているんです。そういう姿勢も社員から発信していけたらいいなと思います」

社員の大半がスポーツ経験者な上、現役アスリートも在籍している。アスリートの気持ちになって、彼らに寄り添い、ときには啓蒙していける存在なのだ。未来を見つめて突き進むDNS、そして株式会社ドームの今後の取り組みにぜひ期待してほしい。

取材・文/松川亜樹子

取材協力
株式会社ドーム
社長室 サプリメント事業部
部長 外山裕之氏
開発チーム チームリーダー 眞里谷慎司氏
戦略チーム チームリーダー 岡先聖太氏