エナジードリンクは本当に効く?




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する連載。第24回は、たくさんの商品が販売されているエナジードリンクについて。

■カフェインの摂り過ぎには注意

エナジードリンクには色々な成分が配合されていますが、メインはカフェインですから、カフェインに期待されるような効果はあると言っていいでしょう。

カフェインには鎮痛効果、脂肪の分解、覚醒といった機能がありますから、それに近い効果は期待できると言えます。

ただし、常用することで徐々に効果は感じられなくなるかもしれません。就寝前にコーヒーなどのカフェインを含んだ飲料を飲むと通常は眠りが浅くなりますが、それが日々の習慣になっている人の場合は普通に眠れたりするようなケースです。コーヒーを飲むことで覚醒するよりも、逆にリラックスする人も多いかと思います。

むしろエナジードリンクで気をつけるべきは、その摂取量かもしれません。カフェインは2004年まではドーピングの対象となるほどの成分でした。つまりそれほど効果があり、副作用も心配な面があるということです。エナジードリンクはまるで炭酸飲料のように手軽で飲みやすいため、イメージ以上に大量のカフェインを摂取してしまいます。

栄養ドリンクとしての草分け的な存在でもあるリポビタンDでも、カフェインは50㎎です。リポビタンDは指定医薬部外品ですが、一般の清涼飲料水として売られているエナジードリンクの多くは、それ以上の量が配合されていて、中にはその何倍ものカフェインが配合されているものもあります。

カフェインがNGという意味ではなく、その摂取量を闇雲に増やしていくのは気をつけましょうという意味です。摂取量は一度に摂取する量もですが、癖になって頻度を上げることで1日合計の摂取量が増えることも気をつけたほうがいいと思います。

毎日当たり前のように飲むというよりは、「ここぞという時のためのドリンク」という位置づけのほうがいいかもしれません。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。