未来の幸せに向かって進む歩き方#9 ~左右差・前後差のセルフチェック法~【カラダ美人講座】




ストレッチをするとき、左右同じように実施していても、それぞれの効き方に違いを感じることはありませんか?

それは、利き腕や利き足、あるいは癖などによって、体の左右前後にコンディション差が生じてしまっているからです。

例えば、椅子に正しく座ってみてください。自身では「正しく」を心がけているつもりでも、左右均等にバランスよく座るのはなかなかもって至難の業。実際に、体の細部を一つ一つ点検してみると、右肩が左肩より若干下がっていたり、右膝が左膝より少し前に出ていたり(写真1)、あるいは脚を組んでみると左脚のほうが右脚より組みやすかったり、さらになんとなくではあるけれども、どちらかの座骨が浮いてしまっているような違和感を覚えたり……と、どこかに必ず歪みが生じているものです。

【写真1】

精密機械のように左右に1ミリのズレもないなんていう完璧な体はなかなかあり得ないものなのです。

とはいえ、このズレ(歪み)が大きくなってしまっては元も子もありません。歪みが大きければ、それに対して左右のバランスを保とうと、体というのは代償動作を引き起こします。これを「有難い」機能と思うか、「よけいなことを」と思うかは、それぞれに認識の違いと言えるかもしれません。

いずれにせよ、体全体の安定を保とうとすることによって、腰痛や肩こりなどの様々な支障が発生するのです。そして、その姿勢が、知らず知らずのうちに自身にとっての‟自然体”として定着してしまう……。

いったん歪みを受け入れてしまった体を、元の状態に戻すには、これもまた至難の業。したがって、歪みは生じるものと理解したうえで、それでもできるだけ最小限にとどめておきたいものです。

ところが、歪みというのは自身ではその実態をなかなか判断しづらいもの。そこで、椅子に座った状態のところに、テニスボールをももの下に入れてみたり(写真2・3)、正座をする際に、膝の裏側にテニスボールを挟んで、左右の感覚の違いを感じてみてください(写真4~6)。

【写真2】
【写真3】
【写真4】
【写真5】
【写真6】

どちらかがとくに「イタタタ……」と感じたりする場合には、左右差が生じている証し。また、ボールの位置をずらしてみると、痛みを感じるところとそうでないところが明白にもなります。

セルフチェックとして、ぜひ活用してみてください。

山本康子(やまもと・やすこ)

鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、コンディショニングセラピスト。施術キャリアは30年。日本代表チームのトレーナーとしてトップアスリートのボディコンディショニングを手掛けてきた。その間、約6年に渡り外国人トレーナーと共にヨーロッパなど各地を転戦した経験によって、日本にはないスピリットを強く感じ、施術テクニックはもちろんのこと、人として現在もなお進化すべく努力を続けている。2004年に、アー・ドライ治療院、2013年に筋膜リリース専門のスカンディックケアを開業。施術者の育成と労働環境整備にも力を注ぐ。

Scandic care (スカンディックケア)
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取材/光成耕司