武道家の生きざまが試される空手日本一決定戦 今週末、新極真会の全日本大会が無観客で開催!




読者の皆様こんにちは。VITUP!編集部の伊藤です。

新型コロナウイルスの影響で東京オリンピック・パラリンピックが延期となり、野球やJリーグなども大幅な日程の変更や試合数の削減などを余儀なくされた2020年のスポーツ界ですが、何とかレギュラーシーズンを消化し、コロナ禍における新たなスポーツイベントの形が確立しつつあります。

直接、相手とコンタクトする格闘技の世界でも、選手へのPCR検査や抗体検査の実施、その他さまざまな新型コロナウイルス対策を徹底することで、少しずつ大会が再開されています。10月末にラスベガスでボクシング・井上尚弥選手の世界戦が行なわれたことは記憶に新しいところです。

そんな中、11月21日-22日の2日間にわたり、フルコンタクト空手の日本一を決める第52回全日本空手道選手権大会が無観客で開催されます。以前も当サイトで紹介しましたが、この大会を主催するのは2020年11月現在、世界102の国と地域に10万名の登録会員を有するフルコンタクト空手界最大規模の団体・NPO法人 全世界空手道連盟 新極真会です。

華麗な足技を武器に、昨年の第12回世界大会で3位入賞をはたした加藤大喜選手。今大会の優勝候補筆頭です

体重無差別で争われるこの大会には、男子65名、女子37名がエントリーしています。昨年11月に開催された第12回全世界空手道選手権大会で優勝を飾った島本雄二選手、南原朱里選手の男女チャンピオンが不在のため、群雄割拠の大混戦となりそうです。この大会を制した選手は、フルコンタクト空手界をけん引する新たなスターとなっていくことでしょう。

声援がない中で行なわれる空手の試合は、それこそ剣豪同士の果し合いのような、異様な雰囲気となるのかもしれません。今年はコロナ禍で延期や中止となった大会も多くありましたが、武道の世界では本来、大会があるから稽古を行なうのではなく、日頃から積んだ研鑽の成果を競い合う場として大会があります。そう考えれば、武道家の本来あるべき姿が問われる舞台と言えるのかもしれません。新極真会の緑健児代表は、コロナ禍に見舞われた今春、当会の機関誌『空手LIFE』のインタビューで下記のように語っています。

加藤選手と並び優勝候補と目されているのが、江口雄智選手。昨年5月の第5回JFKO全日本大会では、加藤選手に勝利を収めています

「逆境こそチャンスと前向きに考えることが大切でしょうね。暗く落ち込んで過ごしていても、状況は何も変わりません。それなら前向きな気持ちで、すべてをプラスの発想に変えていく。明るく乗り越えていったほうが、より自分自身を成長させることができますし、いつか新たな試練が来た時にもがんばれると思います。前向きな気持ちこそが、私は武道精神の中核を成すものだと思っています」

こういった状況だからこそ、勝ち負けだけではなく、緑代表の思いを受け継いだ選手たちの武道空手道精神にも注目していただきたいと思います。第52回全日本大会は、LINE LIVE-VIEWINGとZAIKOで有料ライブ配信されます。ぜひ、伝説となるであろうこの大会を目に焼きつけてください!

江口選手は佐賀県にあるトレーニングジム『ROYAL FITNESS』で、パーソナルトレーナーとして指導も行なっています

全日本大会、有料配信の詳細はこちらから

加藤選手の妹の小也香選手は、女子の優勝候補。大喜選手同様、華麗なステップと足技で2度目の全日本大会制覇を狙います

文/伊藤翼 写真/新極真会