唐揚げやコロッケ、天ぷらなどの衣は体にどんな影響がある?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第101回は、揚げ物についている「衣」が体に及ぼす影響について。

■脂質以上にカロリー過多がマイナス要素

揚げ物の油は植物性の油ですから、一価不飽和脂肪酸をはじめとする不飽和脂肪酸が多く含まれています。不飽和脂肪酸は一般的には体にいい脂質と理解されていて、一価不飽和脂肪酸は善玉コレステロールを増やすとか、悪玉コレステロールを減少させるなどとも言われています。しかし、過剰に摂取した場合は逆にデメリットのほうがクローズアップされていき、結局は適量であればという条件つきで体にいい脂質と言えます。

とくに揚げ物の場合はその脂質の種類もさることながら、それ以上に気になるのが摂取カロリーです。カロリー過多によるマイナスの影響は、肥満から始まりひいては動脈硬化や脳梗塞まで計り知れません。

また、おいしさの基本は脂と塩分と言われるくらい、揚げ物はおいしい食べ物へと変貌させてくれます。例えば野菜が苦手な人でも、揚げたてのナスやカボチャの天ぷらとなればまた別物となるのではないでしょうか。揚げ物を食べる場合には、カロリーという観点から食べ過ぎには注意をしたほうがいいでしょう。

ちなみに同じ揚げ物でも、その種類によって吸油率が異なります。つまり、油というカロリーを含む率が異なるのです。素揚げの場合と衣がある場合では、衣が油を吸う分だけその差は大きくなっていきます

また同じ衣でも、小麦粉かパン粉か片栗粉かなどによっても差が出てきます。一般的には天ぷらや串揚げが一番吸油率が高くカロリーが増えてしまいますので、少し注意が必要かもしれません。揚げる時の食材を小さく切ると、食べやすい反面衣がつく表面積が大きくなりますから、トータル的にはやはりカロリーが増えていきます。細く切ったフライドポテトなどは、小麦粉や片栗粉の衣部分はさほど大きくないものの、一口サイズになっている分だけ表面積が大きくなるため、結果的にカロリーも増えていってしまいます。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。