サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第108回は、コンビニやドラッグストアなどで見かけるプロテインバーについて。
■タンパク質と同時に、脂質や炭水化物も摂れてしまう
プロテインバーにもさまざまな種類がありますから、一概に何本とは決められませんが、前提としてあくまでも補助という位置づけにするべきでしょう。食事が主役として、プロテインなどのサプリメントも補助となりますが、それよりもさらに補助というイメージです。
プロテインなどはタンパク質の塊であって、逆に脂質などはほとんど含まれていませんが、プロテインバーの多くはタンパク質が20gほど摂れたとしても、同時に脂質や炭水化物も同等か場合によってはそれ以上に摂れてしまうからです。また、海外物の多くはスクラロースなどの甘味料を使うことで単糖類の利用を控えるケースが多いようですが、時として味づくりの上で砂糖などを利用しているケースもありますので、さらに細かいチェックも必要になってきます。カロリーも200㎉以上あるものが多く、減量期などの場合にはカロリー的な制約も入ってきます。
コンビニなどで売られている商品の場合、時としてプロテインバーの名のもとに単なるお菓子的な配合であったり、むしろ炭水化物が中心のエナジーバーであるものもありますから、ヘルシーイメージだけで選んだりはしないように注意してください。移動などでプロテインが飲めない時や、小腹が空いて何かお菓子が食べたくなった時などに1本利用するのが安心です。
増量期なのか減量期なのかによっても使い方や本数は変わってくると思いますが、一般的に考えた場合は一日に1本程度を間食として食べるのが無難ではないでしょうか。3本以上になると、カロリー、脂質、炭水化物の摂取量からして少し多過ぎる印象です。どうしても体重を増やさなくてはならないような非常事態の補食を除けば、一日1本を間食として!でおすすめしておきます。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。