サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第124回は、カルビやロースなどに比べてヘルシーだと言われる焼肉のホルモンについて。
■脂質の含有量が低めで糖質はゼロに近い
ホルモンの語源は、「放るもの」であるとか、いわゆるホルモン(hormone)であるとか諸説あるようですが、個人的な嗜好で言えば歳をとるにつれホルモンが好きになっていきます。若い頃はカルビやロースが焼肉の定番だったはずなのに、最近はもっぱらハラミやセンマイ、ミノといったホルモン系がほとんどになってしまいました。
歳をとって自然と欲してくるのだからそれだけヘルシーなのかなと思ってしまいますが、実際にカロリーは一般の精肉と比べると低めです。ホルモンの部位にもよりますが、脂質の含有量が低めなのと、糖質はほとんどゼロです。ミネラルやビタミンも含まれていますし、たとえば生センマイなどは脂質をカットしているような減量中でも食べられるのではないでしょうか。
以前、減量中にチートデーでもないのに焼肉屋に行って何が食べられるだろうと考えたことがありましたが、ごはん、キムチ、野菜、魚介類、センマイといったアイテムで結構満足度が高かったことを思い出します。また焼肉の場合は焼いて脂を落とすため、より脂質の含有量は低くなっていきます。もちろん食べ過ぎては元も子もありませんが、とりあえずホルモンはヘルシーっぽいというくらいの位置づけになるのではないでしょうか。
ホルモンに限らずですが、焼肉を食べに行ったからといって肉だけを食べるのではなく、たとえば豚肉やハラミをしっかり焼いて脂を落として、サンチュや大葉に味噌をつけてキムチやニンニクと一緒に巻いて食べるサムギョプサルなども、スタミナかつヘルシーだと思います。味噌やキムチは発酵食品ですし、大葉はβカロテンの宝庫です。少しの工夫で焼肉もヘルシー食に変身できますね。なんだか無性に焼肉が食べたくなってきました。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。