1週間筋トレをしなかったら○○○になった【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第178回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? この1週間、私は消化不良の日々を過ごしてきました。

 

なぜ消化不良の1週間だったのか? その理由は一度もジムに行かず、筋トレをしなかったからです。ここ10年くらいは、徹夜が1週間続いても、正月やゴールデンウイークで世間が休んでいても、肉離れをしていても、1週間一日もトレーニングをしないということはありませんでした。

そんな私が1週間もトレーニングを自粛した理由は、新型コロナウイルスのワクチン接種です。ワクチン接種にはさまざまな意見があるので、まずは私がワクチン接種をした理由から。

 

厚生労働省のホームページに「100%の発症予防効果を得られるわけではありません」という記載があるように、ワクチン接種=コロナ完封ではありません。私自身、個人的にはワクチンよりも、日頃の予防と自分の免疫力を高める生活をすることのほうが大事だと思っています。ただ、人と会って取材をするという職業柄、取材対象者への配慮として、また、重症化の可能性を低くすることが医療従事者の方の助けになるのではという考えから、ワクチン接種をすることにしました。

 

ワクチンは「まだ治験が終わってない」という噂もあったりしますが、日本で公的接種の対象となっているファイザー社とモデルナ社のワクチン(メッセンジャーRNA)に関しては、薬事承認を受けています。厚生労働省のHPで薬事承認を受けていることは記載されているのに、こうした噂が出るのは、ワクチンの効果や持続性に関しての情報収集が現在進行形だからです。

 

実際、一部の臨床試験の終了予定時期が将来の日付になっている場合があります。これは、臨床試験に参加した方々に、より長期に有効性や安全性が認められるかどうかについて、引き続き情報収集が行われているため。臨床試験に参加した方々は、世界で最初に新型コロナワクチンを接種した方々なので、情報収集を続けることで、免疫の持続期間、経過による変化など、重要な科学的知見が得られると考えられています。簡単にまとめると、有効性や安全性の評価は終わっているものの、できたばかりのワクチンであり、まだ必要なデータを集めている途中のものもあるということです。そのため「治験が終わっていない」という主張する人もいるというわけです。

 

まだデータが不足していることもあって、ワクチン接種後の運動についてもさまざまな意見があります。だとしたら、根拠のない人の意見に左右されるよりも、自分自身で状態を見極めることが一番大事です。

 

私の場合、副反応は一度目、二度目ともに腕の痛み以外はなく、摂取翌日も普通に出勤して働いていました。それどころか一度目の摂取のときは、摂取当日にトレーニングをして、翌日だけ休んで次の日からトレーニングをしていたくらいです。

 

ところがワクチン接種2日後のトレーニングは、あまり良いとは言えないものでした。懸垂3セット目でかなり力を全開にしたとき、心臓が苦しくなったのです。頭もクラクラしたため、その日は筋トレを中止。軽くランニングマシンで歩いて終わりにしました。

 

こうした自身の経験があったことから、より副反応が強いと言われる二度目の摂取後の今回は、体への影響を考慮して1週間ほどトレーニングを自粛することにしました。

 

前述のようにワクチン接種による副反応はなく、元気なのにトレーニングを我慢するのは、気持ち的には大変なことでした。もちろん、1週間くらいで劇的に筋肉や筋力が落ちることはないものの、約10年ぶりに1週間トレーニングをしなかったことでわかったことがあります。トレーニングをしている日々と、トレーニングをしない日々の一番大きな違いは、お腹が減らないことです。

 

2日に1回ペースでトレーニングをしているときは、トレーニング日ではない日でも、食後3~4時間経つとお腹が減るのに対して、トレーニングをしていないと、食べずに働いていても空腹を感じません。エネルギーを消費しないと、こんなにもお腹が減らないものなのかと少々驚きました。

 

もう一つ、トレーニングをしている日々と、していない日々の違いは、眠くならないこと。普段は朝8時からトレーニングをすると、昼食、夕食と食後には確実に睡魔が襲ってきます。その結果、昼も夜もよく眠れるのです(昼は勤務中だけど)。快適な睡眠のためにもトレーニングは不可欠であることがわかります。

 

トレーニングをしていれば、お腹が減ってご飯をたくさん食べられるし、体がほどよく疲れてよく眠れる。健康にとって大事な運動・食事・睡眠のコンプリートです。ワクチンを摂取したことにより、トレーニングをして体を動かすことが、何よりも健康には大事なんだなと改めて実感しました。というわけで、明日からトレーニングライフを再開します。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。