新たなファイナリスト候補誕生!吉岡賢輝が須江正尋に勝り65kg以下級を制す【2021日本クラス別選手権】




「泣きはしなかったのですが、ウルっとはきましたね。僕、そういうのはないタイプだと思っていたのですが、信じられないことがあると、やはり気持ちが昂るんだなと思いました」

そう話すのは、9/11(土)に富山・富山県民会館で行なわれた第25回日本クラス別選手権大会の男子ボディビル65kg以下級を制した25歳、吉岡賢輝。2019年には神奈川県大会を制してミスター神奈川の称号を手に入れ、関東クラス別選手権65kg以下級でも頂点に立った、日本ボディビル界の期待の若手の一人だ。

「今年は、この日本クラス別一本というイメージで調整を進めてきました。昨年のコロナ禍で大会に対する欲みたいなものは少し落ちたりもしましたが、やはりトレーニングが好きですし、それを続けていたらデカくなれて、こういう結果につながったのではないかと思います」

吉岡が出場した65kg以下級は、昨年のゴールドジムジャパンカップの同階級を制した内野充や、2019年の日本選手権ファイナリストである須江正尋が出場した激戦区。しかしステージに立つと彼らに見劣りすることは全くなく、その堂々した姿に、会場や中継を通して観戦している方々のSNSでは、「吉岡がファイナリストに勝つかも」という声が流れていた。

「ステージに立っていて、いけそうだなという感覚はまったくありませんでした。それよりも、ボディビルを始めた頃から見ているあの須江選手たちと並べていることが、まずは嬉しいという感じで。でもステージの合間にTwitterなどを見ていたらそのように言ってくださる方もいて、表彰台には立てるかなと思っていました」

迫力満点の腕を中心に抜群の存在感で日本選手権ファイナリストを破り、見事に立った頂点。その姿をSNSで見た現日本チャンピオンの横川尚隆も「めちゃくちゃ素晴らしい体してますね。めぐまれたプロポーションだ」「日本選手権頑張って下さい。いっぱいぶっ飛ばしまくってぜひファイナリストに」とコメントするほど。

当然、次の目標は10/10に行われる日本選手権だろう。

大会直後に話を聞いた際には「今のところ出るつもりはなく、もし出れたら……」とコメントしていたが、夜に自身のSNSを更新し、「応援してくれた、家族、職場の方、ジム仲間など本当にありがとうございました!また、出る予定ではなかったですが次は日本選手権に出場したいと思います。自分のできることを精一杯やっていきます!応援よろしくお願いします!!」と出場を宣言。

1ヶ月後、新たな日本選手権ファイナリストが誕生するかもしれない。

文・写真/木村雄大