軟水、硬水の違いは? どう飲み分ければいい?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第156回は、軟水と硬水の違いについて。

■硬水は飲みにくいが栄養価が高い

一言で言うならば、水に溶けているカルシウムとマグネシムの量によって分けられています。各国によって基準に差があるようですが、とりあえずWHOの基準としては双方のミネラルの含有が120mg/ℓ以上を硬水としています。

ヨーロッパの水の多くは硬水で、日本は軟水です。これは地形の影響が大きいようで、山から急傾斜で水が下ってくる日本は水にミネラル分が含まれにくいのでしょう。ヨーロッパなどに旅行をした際に、シャンプーの泡立ちがいまひとつという経験をしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。これは硬水に含まれるカルシウムなどが石鹸との相性が悪く、泡立ちを阻害してしまうからだと言われています。

一方、日本は世界でも有数の水がきれいでおいしい国だと言えますが、日本の水道水は完璧な軟水で、他にも私たちが一般に口にする国産のミネラルウォーターの多くは軟水です。

シャンプーの泡立ちもよく、味的にもおいしいのです。つまり、簡単に言ってしまえば軟水のほうがおいしいので、調理などには軟水を使うほうが向いていると思います。

では硬水にはメリットがないのかと言われれば、そういうわけではありません。一般的に飲料としておいしいか否かと言われれば、硬水のほうが飲みにくいと言えますが、カルシウムもマグネシムも不足しがちなミネラルです。それが水に溶けているのですから、栄養価の高い水という見方もできます。

動脈硬化に効果があるなどとも言われていますが、硬水を飲めば即予防というほど安易ではないものの、便秘解消に関しては比較的即効性をもって効果があるのではないでしょうか。とくにマグネシウムの効果が大きいです。

ミネラルウォーターの価格もまちまちですが、値段が高めのものの多くは硬水である傾向が強いです。コントレックスあたりはかなりの硬水ですので、便秘解消やデトックス効果などで女性に人気ですが、逆に飲み過ぎるとお腹が緩くなるなど気をつけなくてはなりません。ちなみに私が水割りにする水は、やはり軟水です(笑)。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。