VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 暖かかったり、寒かったりと、気温差が激しい日が繰り返されているので、体調管理には十分ご注意ください。
さて、今回のテーマは「股関節」です。というのも、別件の取材でアスリートの方、トレーナーの方が、立て続けに股関節の重要性を説いていて、影響を受けたからです。普通のおじさんとなった今も週に3回ジムでトレーニングをしているものの、目的は競技に生かすためではなく、あくまでも締まった体の維持と運動不足にならないこと。パッと見でわかるアウターマッスルに重点を置いているため、インナーマッスル、股関節を鍛えるという意識はまったくありませんでした。
しかし、少し考えてみれば、股関節が極めて重要な部位であることがわかります。屈曲、伸展、内旋、外旋、内転、外転と、股関節が動くことによって、足はいろいろな動き方ができるのです。足が上がらずにちょっとした段差でつまずく、あるいはジャンプできずに水たまりを飛び越えられない……といった“おじさんエラー”は、すべて股関節の機能低下が原因。股関節が動かなければ、膝も足首も動かないわけですから、その役割はとても重要です。
股関節はいろいろな動きをするので、股関節回りにはさまざまな筋肉があります。伸展の動きなら大殿筋や中殿筋、大内転筋など。屈曲の動きなら腸腰筋、恥骨筋など。内転なら内転筋群(大内転筋・長内転筋、短内転筋)。外転なら中殿筋、小殿筋など。内旋なら中殿筋、大腿筋膜張筋、外旋なら深層外旋六筋など。いわゆるインナーマッスルなので鍛えても目に見える筋肉ではなりませんが、体の機能性を高めることを考えると、鍛えておいて損はありません。
ターゲットが複数あるため、鍛え方も当然複数あります。そのなかで股関節の重要性を説いてくれたプロアスリートの方に教わった、テレビを観ながらでも簡単にできる腸腰筋のトレーニングを紹介しましょう。
長座の姿勢から片ヒザを抱えたところがスタートポジション。ここから伸ばした足を上下させるだけです。
足を上げるときに体が後ろに倒れてしまうと股関節(腸腰筋)ではなく、腹筋のトレーニングになってしまうので、しっかり姿勢は維持した状態で行ないましょう。
最初はつま先を真っすぐ上に向けた形で10回、続いてつま先を外側に向けて10回、次は内側に向けて10回という形で左右両方行ないます。つま先の向きを変えるだけで効かせる箇所を変化させることができます。ちなみに私はつま先を内側に向けての動作に難があり、強化が必要です。
腸腰筋は大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つをまとめた総称のことで、上半身と下半身をつなぐ筋肉であり、かなり重要な役割を担う筋肉です。腸腰筋を鍛えれば、上半身と下半身の連動から足は動きやすくなり、“おじさんエラー”改善につながることは間違いなし。他にも姿勢改善や代謝の向上など、良いことだらけです。テレビを観ながら簡単なことから始めてみてください。
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。