筋力トレーニングはアスリートのものだけではありません。少子高齢化、医療費の増大が問題化されるなかで、いつまでも現役でいるための健康づくりに筋トレは欠かせません。この新連載では、中高年を専門としてパーソナルトレーニングを行なう心身健康倶楽部の枝光聖人さんに、健康寿命を保ち、年を重ねても、生き生きとした暮らしを送るための身体づくりのヒントをお話いただきます。
※本記事は、2019年に『VITUP!』で公開した記事を再編集して紹介するものとなります。
筋トレが続かない理由は…
40代、50代になって体力が落ちるようになってきた。「これはマズイ」と思ってジムに通い始めたものの、数ヵ月で挫折…といった経験をした中高年は多いのではないだろうか? でもそれが、じつは“自分のせいではない”かもしれない。ジム通いや筋力トレーニングが続かない原因について、中高年専門のパーソナルトレーニングジム「心身健康倶楽部」を主宰する枝光聖人さんはこう指摘する。
「筋トレはここ数年ブームになっていて、TVや雑誌などを見て、中高年の方も運動をしなければとジムに入会します。しかし、いきなりベンチプレスで重いバーベルをあげようとするなど、若い人やアスリートと同じトレーニング内容をしてしまう。当然、できるわけがなくて、挫折してしまうんです」
多くのフィットネスジムは、アスリートや一部のトレーニング愛好家に向けた設備構成になっている。アスリートやトレーニング経験のある人ならば、設備があれば、自主的に延々とトレーニングに励むことができるが、多くの人は自分に合った方法がわからず、断念してしまうという。
「そういったトレーニングは往々にしてキツイので、その目的がはっきりしていないと乗り越えられません。たとえばボクサーなら『KO率を上げたいからパンチ力を上げたい』など目的が明確なので耐えられるのですが、一般の方は、健康になるのが目的です。そんな人にハードルの高いトレーニングをやれと言うから、1回で投げ出してしまうわけです」