佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.5 清水恵理子(ゴールドジム原宿東京)後編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。ゴールドジム原宿東京でパーソナルトレーナーを務める清水恵理子さんの後編となる今回は、実際のトレーニングの様子をお届け。背中のトレーニングです!

清水さんのトレーニングは体のタイプの診断から始まります。これは清水さんが師事している本野卓士さんのトレーニング理論「本野式 筋膜連鎖トレーニングXYⅡZ」に基づくものです。寝た時に一番楽な姿勢、スタンスを変えながらの手押し相撲、あるいは膝立ちの姿勢を後ろから押すといったチェックをして、X・Y・Ⅱ・Zの4タイプの中から、その人がどのタイプかを診断します(4スタンス理論との共通項が多いです)。

診断の結果、私はタイプⅡでした。このタイプはパラレル動作が得意で、どちらかというとつま先重心。体の外側を使うタイプとのこと。私が長年やってきたレスリングは、絶対的につま先重心で動かなければいけない競技であり、間違いなく得意なのはつま先重心です。

 

ちなみにこの分類は人類の進化の段階による分類。タイプⅡは一番進化した現代人ということで、木の上で生活する動物や、背中の丸まった木の上で生活していた人類よりも、遠くまでロスなく歩ける体の使い方ができる一方で、エネルギー代謝が悪いという傾向もあるそうです。このようにタイプを診断し、得意点、不得意点で骨盤の位置や肩甲骨の位置を変えながら行なうと、より効果的なトレーニングができます。

 

タイプに合ったトレーニングをするうえで、効果的なギアがこちらの「A-wear」。

これを付けることによって指の間隔が少し変わり、バーの握りに変化が生まれます。簡単に言うと、タイプに合った握り方をアシストするというわけです。(※注=A-wearの公式の使用方法ではありません。メーカー様への本野式筋膜連鎖トレーニングでの使用方法などの問い合わせは、ご遠慮ください)

 

いよいよトレーニングを開始。最初は広背筋下部をターゲットにラットプルダウンから。

タイプⅡのグリップはサムアラウンドではなく、サムアップを推奨。実際、私自身普段から握り込む形は得意ではないと感じていたため、この形でやっていました。薬指で握るようにして、肩を寄せたまま行ないます。当然、タイプによって握り方や体の使い方は違います。

 

アタッチメントを変えて広背筋上部。これはタイプⅡの苦手点となります。

 

今度は肩甲骨を前に出して少し猫背のような状態から引いていきます。引く時に肩甲骨を寄せないように注意。

 

続いては広背筋&大円筋。手が上にある時は体をストレッチさせて腕を引きながら戻してきます。「タイプⅡは股関節を伸ばしているほうが力が入るので、しっかり伸ばしてダイナミックに動かしましょう」とアドバイスを受けます。

ゴールドジムには他のジムにはないマシンが数多く設置されており、このマシンを使うのは初めて。最初に清水さんがやり方を見せてくれた上で、やりながらも体の使い方を教えてくれるので、初めてでも使いこなすことができます。これがパーソナルトレーニングの良さでしょう。

 

今回は回数を少なめにいろいろな種目をということで、トレーニングはまだまだ続きます。今度はローイング。タイプⅡにとっては苦手点の動作になります。得意点、苦手点の両方をしっかりトレーニングしていきます。

肩甲骨を広げたまま、お腹のほうに引くようにします。足は全体をペタっとつけるよりは、薬指を押して股関節を曲げるようにします。タイプに合った体の使い方を意識すると、何も考えないでやっている時とは筋肉への効き具合が違います。

 

続いてはフリーウエイトエリアへ移動。こちらもタイプⅡの苦手点である僧帽筋の上部を鍛えるシュラッグです。

スタートポジションでは少しアゴが上がった状態から、力を入れて引く時に頷くような形になります。リズム良く行ないたいところですが、体の使い方を考えすぎてぎこちなくなってしまいました。

 

そして最後はベントオーバーローイング。鍛える箇所は僧帽筋中部でタイプⅡの得意点になります。

タイプⅡの人はヒザを曲げしまうと重心が後ろにいって引きづらくなるので、なるべくヒザを曲げずに行ないます。肩甲骨の上を寄せながら引きます。背中がいっぱい、いっぱいになりました。

以上で今回のトレーニングは終了。自分の体のタイプを知り、得意点、苦手点を鍛える際の体の使い方の違いやポイントを意識しながらのトレーニングは初体験だったので、ガッチリ効きました。人から教わった方法がやりづらいな…と感じた経験がある人もいると思いますが、それは体のタイプの違いということも考えられます。自分を知ることはトレーニングをしていくうえで、とても大事なことだと感じました。

というわけで、今回はここまで。清水さん、ありがとうございました。

 

【トレーナーPROFILE】
清水恵理子(しみず・えりこ)
40歳からトレーニングを始め、ボディビルで数々の実績を残し、2022年よりゴールドジムのパーソナルトレーナーとなる。JBBF1級審査員の資格を持ち、ボディビル競技者へのポージングのサポートも行なっている。
主な戦績は以下の通り。
ゴールドジムジャパンカップ2連覇/日本クラス別選手権大会4回優勝/日本マスターズ選手権大会7回優勝/日本選手権2位 4回/ベストアーティステック賞2回/世界マスターズ5位 2回/アジア大会2位 2回
Instagram=@nk121

 

【店舗情報】
ゴールドジム 原宿東京
〔住所〕東京都渋谷区神宮前6-31-17 ベロックスビル4F・3F・B2F
〔料金〕(東京原宿店のみ)
(価格は税込)
■レギュラーメンバー(原宿東京店のみ)
ファミリー(4名)1人7,700円
ファミリー(3名)1人8,800円
ファミリー(2名)1人11,000円
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※全営業時間
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アフタヌーン(月~土 12:00~17:00 ※日・祝は利用不可)
■関東エリアメンバー(プレミアム店、FC店を除く関東店舗利用可)
ゴールド(フルタイム・レンタル5点セット付〈※1日1回〉/20,900円
フルタイム(全営業時間)/14,300円
■マスターメンバー(プレミアム店、FC店を除く全店舗利用可)
ゴールド(フルタイム・レンタル5点セット付〈※1日1回〉/22,000円
フルタイム(全営業時間)/15,400円
ミッドナイト(23:00~翌朝7:00)/8,800円
■清水さんのパーソナルトレーニング
60分/10,000円(都度払い)
〔営業時間〕
24時間営業(B2フロア 7:00~23:30まで)
※毎週日曜日20:00~月曜日7:00クローズ
※毎月第3月曜日23:00オープン。(ただし、第3月曜日が祝日の場合は、7:00オープン)
※休館日は第3月曜日
※休館日は原宿ANNEX店・代々木上原店・表参道店の利用可
※休館日は浦安店・東陽町店・行徳アスレチックセンター店・本八幡店・南船橋店の利用可能

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。