スーパー高校生・相澤隼人の快挙【マッチョ編集長のマッチョコラム第22回】




VITUP!でも取材した筋肉界のスーパー高校生・相澤隼人が快挙を達成した。去る10月9日、メルパルク東京ホールで開催されたボディビル高校選手権大会において3連覇を達成。参加選手のなかで1人だけレベルの異なる肉体で文句なしの優勝を勝ち取った。

「昨年の取り組みから、減量方法の最後の調整方法を見直しました。減量期間は去年よりも2カ月長く設けました。去年は『とにかく、やればいい』という考えで、試合の1週間前から塩抜きをしてしまったんです。そうすればパリッとした仕上がりになるのかなと思ったんですが、結果的にむくんでしまって。今年こそしっかりと仕上げようと思っていました」

「塩抜き」(※1)や「パリッとした仕上がり」(※2)など、コメントの内容もベテランビルダーの域に達してきている相澤。ステージに登場した瞬間から、頭一つどころか三つ四つ抜きん出た圧倒的な筋肉と仕上がりで、観戦者の目を引きつけていた。言うなれば、高校生のなかに大人が1人交じっているような感じ。他の追随を許さない問答無用の強さを見せつけた。

高校選手権上位6選手は、同日開催の全日本ジュニア選手権にもそのままエントリー。これは16歳以上、23歳以下のカテゴリー。 つまり、高校生、大学生、社会人が一緒になって競いあう舞台なのであるが、トレーニングを開始したばかりのころの1、2年のキャリア差は肉体に大きな違いになって現れる。つまり、10代の高校生と20代の選手との間には歴然としたレベル差が存在し、2016年は相澤をもってしてもジュニア選手権では5位。高校生は上位に食い込むのは非常に難しいとされていた。

しかし、ここでも相澤は20代の選手をおさえて優勝。7人の審査員全員が1位票を投じるというパーフェクトゲームで高校選手権、ジュニア選手権の2冠を成し遂げたのだった。

「高校生選手権で優勝したときは、プレッシャーを感じていたこともあって、ほっとしました。ジュニアの優勝は、うれしかったです。本気で2冠を狙っていたので。めちゃくちゃうれしいです」

相澤隼人は、まさに鍛えるために生まれてきたような、ボディビルの天才児。数年後には日本選手権の舞台で憧れの鈴木雅との対決が実現するか。

(※1)塩抜き…食事から塩分をカットすること。むくみの原因となるナトリウムの摂取量を調整するために行う。
(※2)パリッとした仕上がり…皮膚から無駄な水分が抜け、筋肉のカットがよりよく見える状態。「ドライな仕上がり」とも言う。