自分1人でもしっかりと追い込むためのコツはありますか?【バズーカ岡田にきけ!】




これから筋トレを始める初心者から、トレーニングを日常生活に取り入れている人まで。あらゆる悩みを骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生に、ズバリきいてしまう連載企画。今回はトレーニングをひとりで行なう際の追い込み方について。
※本記事は2017年に投稿された記事を再編集してお届けするものとなります。


あと1回挙げられるかどうかというところで自分を追い込めるか、そこが筋肉が成長するかどうかの分かれ道です。
しっかりと追い込むことで筋肥大の率は変わってきます。これは研究でも実証されていることなのです。しっかりと追い込むことで筋肉が成長するということがわかっているのならば、「追い込まない」という選択肢はないはずです。

© Milan Stojanovic – Fotolia

ただ、「頭では理解できていても、実際のトレーニングではなかなか追い込めない」という人は少なくないと思います。そういった局面を打破して、いかにして最後のもう1発を挙げていくか。それには人によってさまざまなパターンがあるようで、私の場合は「守るべきもの」を考えるようにしています。たとえば家族のこととか、「この1発を挙げなければクラブが廃部に追い込まれる」とか。学生のなかには、ライバルのことを考えて、怒りのパワーで最後の1発を挙げていく選手もいます。

ドリアン・イエーツが言っていたそうですが、極端な話、トレーニング中にピストルを持った人が突然やってきて、頭に銃を突きつけながら「あと1発挙げろ!」と言ってきたら、挙げると思うんです(苦笑)。そんな危機的状況であったり、守りたいものであったり、怒りだったり。そういったものを思い描いて、トレーニングの原動力に変えていくのも有効な手段だと言えます。

力を出せる状況をつくり出すことは大事かもしれないです。私はボディビルダーの合戸(孝二)さんといっしょにトレーニングさせていただいたことがあるのですが「はい、これを〇回挙げてね」と言われて、その回数を挙げられなかったらもう1セット追加されるんです(苦笑)。もう、挙げるしかないですよね。

ドロップセットやレストポーズ法を使えば簡単に追い込めると思う人もいるかもしれませんが、そういったテクニックは、しっかりと追い込んだ上でやることに意味があります。ぎりぎりまで追い込んで、そこで潰れたらドロップセットやレストポーズ法に移っていくのが基本です。

ドロップセット、レストポーズ法などは、決して楽に追い込むためのテクニックではありません。1人でしっかりと追い込める者のみに許された至高の行為です。そういったテクニックを使えばたやすく追い込めると思っているようなら、「喝!」ですね。


岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
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