研ぎ澄まされた肉体美とハイクオリティなコスプレで、見る人を魅了しているあおさん。加えてパワーリフティングの大会でも活躍しており、2020年のジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会・男子74キロ級で準優勝の実績を残した本格派トレーニーだ。今回は全3回のインタビューで、そんなあおさんの歩みに迫っていく。最終回は、パワーリフターとしての活動について。
試行錯誤を繰り返し、全国レベルの実力に到達
――大学4年生の頃に、大会に初めて出場されたとお聞きしました。
「パワーリフティングはBIG3(スクワット、ベンチプレス、デットリフト)の総重量を競うのですが、最初はベンチプレスだけの大会に出ていました。それが大学4年の時です。パワーリフティングの大会に出るようになったのは、社会人になってからでした」
――最初はベンチプレスの大会に出ていたのですね。
「はい。そもそもベンチプレスの大会に出たきっかけが、地方の市民体育館でトレーニングを行なっていたことでした。地方の市の体育館でトレーニングしていたら、そこに結構ベンチプレスの大会に出ている人たちがいて、『君強そうだから大会に出てみたら』みたいな感じで誘われたんです。別にベンチプレスが得意だったわけでもなくて、単にその出会いがきっかけでしたね。その後、スクワットやデッドリフトも得意だったので、どうせやるなら3種目やりたいなと思ってパワーリフティングに挑戦するようになりました」
――かなり大会に出場されていますよね。
「パワーリフティング自体は2017年の春が最初だったので、2015年~16年の間はベンチプレスだけの大会に出ていました。今はパワーリフティングの方で、出られる大会はなるべく出るようにしていて、年に4~5大会ほど出ています」
――そこから2019年に神奈川県大会で1位。その翌年で2連覇をはたしました。競技を始めてから、どのくらいでその成績にたどり着いたのでしょうか。
「初めて出た県大会が2017年なので、3年目でようやく優勝できたという感じですね。ちなみに初出場は4位でした。次の2018年が2位、2019年でようやく優勝できた形です」
――独学でトレーニングを行なう中で、トップレベルまで到達できたのはどうしてだったのでしょうか。
「ネットでトレーニング方法を調べたり、YouTubeで動画を見て研究したりしていました。鍛え方については、人一倍試行錯誤を重ねたと思います」
――あおさんの中で、たどり着いたトレーニング方法はどのようなものでしたか。
「たとえば毎回限界までやるよりも、サイクルトレーニングと言って、1週間ごとにちょっとずつ重量を上げていくトレーニングを行なったりしています。それまでは何も考えず、毎回限界まで追い込むトレーニングをしていたんですけど、毎回ちょっとずつ重量を上げていって、4週間くらいでMax重量を狙うような方法に切り替えていきました。計画的に鍛えるようになってから、成績が伸びるようになりました」
――パワーリフティングの場合は、筋肉の大きさではなくて、いかに重量を挙げられるかポイントですよね。
「本当にそうですね。パワーリフティングのための筋トレとボディメイクで筋肉をつけるための筋トレは違うんです。パワーリフティングのためのトレーニングだけやっていてもだめで、ボディメイクもやらないと見た目がカッコいい体にはなれません」
――その点は、あおさんの中で答えは見つかったのでしょうか。
「僕のやり方だと、BIG3は完全にパワーリフティングの練習と割り切って、効かせることは度外視しています。3種目に関しては重量を上げることにコミットして、それ以外の種目は完全にボディメイクのためにやるようにしています。ある程度割り切って、使う部分と魅せる部分を分けて考えています」
――1週間のトレーニングルーティーンはどのような形でしょうか。
「今、週4回やっているんですけど、腕、脚の前側、胸・肩、背中・脚の後ろ側で4日に分けて鍛えています。パワーリフティングとボディメイクで、それぞれ目的を分けて意識しています」
――試行錯誤を重ねた結果、見た目の美しさと競技力を両立させることができたのですね。
「はい。自分で経験していって、こういうトレーニングだと効いたな、これは効かなかったな。などと試行していきました。もちろん失敗もありましたが、最終的には自分がほしい成果を手に入れることができました」
――その甲斐もあり、2020年にはジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会・男子74㎏級で準優勝をはたされました。
「そうですね。コロナで参加者が少なかったというのはあるんですけど、一応全国2位になることができました。目標は6位以内だったので、いきなり2位になれて最初は『いいのかな?』と戸惑った部分もありました。コロナ禍とはいえ、結果を出すことができてすごくうれしかったです」
◆ボディメイク、パワーリフティング、コスプレに共通する魅力とは?