筋トレをしていなかったら、人生の楽しさは今の半分くらいかもしれない
――今までSASUKEやコミケ、ジャパンクラシックなど、数々のあこがれの舞台に立ってきました。それぞれ気持ちの違いなどはありましたか。
「振り返ると、どれも気持ちが高揚するんですよね。大会で結果を残した時も、コスプレをしている時もアドレナリンが出ると言いますか。そういう状態がすごく好きです」
――その中で、パワーリフティングならではの魅力は?
「数値で具体的に結果が見えることですね。自分の限界がちょっと伸びたなど、具体的に成果がわかるのが魅力です。ボディメイクは抽象的というか、『腕が太くなった気がする』というような感覚が大きいので。あとは普段ひとりでトレーニングをしていて、『こんなにベンチプレスを伸ばして意味あるのか』とか思うこともあるんですけど、大会に出るとみんなが重量を挙げるために死ぬ気でがんばっている姿を見ることができます。同じ目標に向けて競い合うのは楽しいですね」
――2022年には、マッスルコンテストでのパワーリフティング大会に、鬼滅の刃の宇髄天元のコスプレで出場していましたよね。
「そうなんです(笑)。じつは前回大会のマッスルゲートで優勝した時に、僕がコスプレをしていることを知っているスタッフから、『次回はぜひコスプレで』と声をかけてもらったんです。レイヤーとしてこれはやろうと(笑)。正直、めちゃくちゃ恥ずかしかったですけど、しょぼい記録を出すとただ目立ちたいだけみたいに思われそうだったので、いつも以上にちゃんと記録を出すことを意識しました」
――パワーリフティングでの今後の目標は?
「今年の国体で5位以内に入ることです。前の国体が6位だったので、それより上の順位を取りたいですね。かなりレベルが高い大会なので、前の順位より少しでも前進できるようにがんばります」
――お仕事もされている中で、トレーニングや衣装づくりなどで多忙になることもあると思います。それでもコスプレやパワーリフティングを続けられる原動力は何なのでしょうか。
「むしろ、それらの楽しみがあるから平日の仕事をがんばれています。逆に趣味が何もなかったら、多分もう仕事が嫌で、仕方なく日々を過ごすような感じになってしまうと思います。趣味があるから、仕事もがんばれますね」
――あおさんの趣味すべてが、筋トレが原点になっていますよね。
「多分筋トレをしていなかったら、今の半分くらいしか人生が楽しくないんじゃないかという気もしています。下手すると、半分どころじゃないかもしれないですね」
――これから筋トレやコスプレをやりたいという方に向けて、メッセージをお願いします。
「とにかく楽しんでもらえたらうれしいです。コスプレは本当に楽しいので、『やりたいからやる』と思って、リラックスして楽しむのがいいと思います。そうすれば気軽に、無理なく続けられるのではないかと。ぜひ、コスプレイベントなどでお会いできる日を楽しみにしています」
取材・文/森本雄大
写真提供/あお
あお
本格的なコスプレで人気を集めるコスプレイヤー。鍛え抜いた肉体で披露するコスプレには定評があり、筋肉レイヤーチーム「肉体造形部」に所属している。パワーリフティングの選手としても活躍し、2019年、2021年の神奈川県大会で優勝。2020年にはジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会・男子74キロ級で準優勝に輝いた実績を持つ。
◆Twitterアカウントはこちら(あおさん、肉体造形部)