アスリートから一般のトレーニーまで、それぞれのトレーニングとの向き合い方を紹介する連載「My Training Life」。今回登場するのは、Twitterで『#200日後にマッチョになる凡人』という企画をしているはるさん。7月のボディコンテスト出場を目指して研鑽を積んでいる彼のトレーニングライフに迫った。
今でこそメンズフィジークの大会出場を目指してボディメイクに励み、週に5~6回のペースでトレーニングをしているはるさんだが、トレーニングを始めた頃は体重も50kgに届かないほどやせ型ボディだった。そんな彼が筋トレを始めた理由は、健康を考えてのことだったという。
「最初は、たばこをやめて体に良いことを始めるきっかけで、『運動しよう』と思い立ってジョギングをしていました。ただ、あまりジョギングが楽しくなくて……。そこで、市営のジムみたいなところに通って筋トレをしてみたら、『楽しいな』と感じたんです。そこからはすぐにジムに入会して、ウエイトトレーニングに一気にハマっていきました」
トレーニング目覚めたはるさんはボディメイクにも興味を持ち始め、ベストボディジャパンへの出場を経て、約3年ぶりにステージに立つことを決意。ただし、単純に大会出場を目指すのではなく、Twitterで『#200日後にマッチョになる凡人』という企画を昨年に12月から開始して自身の体の変化を日々投稿していくことにした。
「Twitterで大々的に言っていたわけではないのですが、自分の中では大会に出る前提で毎日投稿を始めてみました。その大会が、7月中旬のJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)のメンズフィジークの大会で、ちょうど200日後くらい。大会に出るまでの変化を日々投稿したら、おもしろいコンテンツになるんじゃないかと思ったのがきっかけです」
スタート当初は「写真で見てもわかるほど、ぷよぷよ」な体であり、投稿への反応もいいねが10~20個つく程度。ところが、やはり「継続は力なり」のという格言もあるように、徐々にいいねの数も増え、コメントがつくことも。フォロワー数も順調に増加し、2022年6月末現在でフォロワー数は3,700人。いいねも安定して200~300がつくまでになった。アカウントの発展とともに体も成長し、フレンドリーに接してくれるフォロワーや、筋トレを通じて知り合った友人とトレーニングをすることも増えていった。
「先日もトレーニング関係で知り合った友人と一緒にトレーニングをしました。筋トレを始めて、交友関係はちょっと充実するようになったかなと思います。今行っているジムで知り合った友人もたくさんいますし、そういうメンバーと忘年会とか新年会とかもやるようになりましたね」
宣言していた期日の「200日後」は間近。最近では、書籍やYouTubeから独学で学んできたという栄養学の知識を基に、大会に向けた減量食として「ジャスミン米を使った鶏肉のチャーハン」を取り入れて低血糖状態にならないように調整。加えて、JBBFのメンズフィジークのトップランカー・岡典明さんからパーソナルでポージング指導を受けるなど、大会に向けた準備を着々と進めている。
「岡さんに教わり、客観的なフィードバックをいただいたことで、全てができていなかったと痛感しました(笑)。僕自身、すごく練習していたわけではないですが、毎日鏡に向かってポーズをとっていたので、そこそこできていると思っていたんです。でもそれを実際に見せたら、改善できるポイントがめちゃくちゃ多くて。できていると思い込んでいただけで、何もできてなかったんだなと実感することができました」
体も、食事も、ポージングも、半年前の自分とは全てを変えて迎えることになる200日目。Twitterへの投稿を続けながらも、とにかくステージで最高のパフォーマンスを発揮することに全集中する。
「JBBFの大会に出るのは初めてですし、ちょっと控えめですが、目標は『入賞したいな』という感じです(笑)。そういえば、まずは取り組みやすいメンズフィジークから始めましたが、岡さんからは『この骨格なら、クラシックフィジークかボディビルのほうがいいんじゃない』とも言われました。いずれは、そっちにも挑戦してみたいと思っています」
控えめながらも着実に進んでいく目標を掲げるはるさん。マッチョになった凡人が見せる集大成の姿に乞うご期待。
取材・文/シュー・ハヤシ 撮影/木村雄大